2019.8.12: Rossini "Demetrio e Polibio"

ロッシーニが13歳の時に書いたという最初のオペラ。

序曲が始まって幕があがると、幕の反対側で、タキシードを着た男がカーテンコールをしている。共演者が次々と彼にハグをし、スタッフが大道具を片付け出す。この出だしはドキドキした。

でも同じことがかなり長く続いていたのでちょっと集中力が途切れる。

誰もいなくなった後、赤いタキシードの男が白い王子服のメゾになんかいう。パルティア王ポリービオが、養子シヴェーノを後継者に指名して娘リジンガとの結婚を許す。

オレンジのパンツに黒いジャケットの男が、二つの半透明の箱みたいなのに二人現れ、一人は影武者で歌手だった方が箱からでてくる。シリアの使者エウメーネで、シヴェーノはうちの王子なので返して。

いよいよ、白いドレスのリジンガが登場!・・・太い。Jessica Pratt、何回かみてる割といいソプラノなんだが。二人のアリアは超絶でなかなかよい。肝心な高音ではずしたのが惜しかった。

オレンジが兵士を引き連れてくる。

夜、白いドレスが空中ブランコの上で寝ている。重いから影武者の方かと思ったが本人だった。オレンジが兵士たちときて、彼女を連れ去る。

休憩のち2幕。

うーん、いいアリアはあったが、いまいち物語に合ってない。モーツァルトの歌合戦みたい。結末も先が見える。舞台も前半から変わらない。なので、後半はいまいち集中できなかった。

白い王子が赤と話し復讐を誓う。オレンジが王子は自分の息子だと気づいて、人質交換をする。オレンジは使者でなくシリア王デメトリオで、王も王子も手の平から火が出せるので親子なのよ〜。そんな魔法が最初からあった。

白い姫が赤と話し復讐を誓う。姫がオレンジを襲おうとすると、王子が現れ父をはかばう。みなで赤のもとにいき、シリア王だと明かし、4人で重唱のち大団円。

本日の見所はオレンジをやったイケメンテノールのJuan Francisco Gatellくん。数年前のセビリアで声はともかくイケメンぶりに驚愕した。今日は白塗りメイクだったので、イケメン度がわからん。歌い方は裏声だったのが、だいぶ太めに腹で歌えるようになっていた。まだまだ声は細いけど。

他の二人もよく、声量的にバランスのとれた4人だった。Jessica Prattが一番うまかったけど。

出待ちしたらメゾが何度もみてる若手のCecilia Molinariであることに気づいた。今日もよかったけどいまいち突き抜けないなあ。同時に出てきたRuth Iniestaの方が活躍している。

楽屋口からLisette Oropesaが彼氏と出てきた!!!これが一番テンションあがった。華がある。去年のAdinaよかったもんなあ。

今日はこの劇場初日だったからか、ボックスのE席だったのに椅子が4つしかなくて係員に運び込んでもらったり、音響がどこかでハウっててずっと小さく鳴っていたり。

後で調べたら、この私のテンションの低さには理由があった。このオペラ、ロッシーニは知り合いに歌詞を与えられるまま作曲してオペラとも知らず見たこともなかったらしい。13歳というのもホラで、18歳頃ボローニャで勉強してた時に作ったのではないかと。ただ、後の作品に転用されているので、彼が少なくとも一部は作曲したことはたしか。

初演はDVDになって、キャストみたら石くんだった。Yijie Shi、もっと歌がいいだろうなあ、顔が白塗りなのもそのせいか。Gatellくんに白塗りはもったいなさすぎ。でも出待ちででてきたのは白髪の小男でオーラなくてがっかり。いちおツーショットもらったけど。

STAFF & CAST


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