人々のさわぐ声が聞こえた後、幕があがる。全体が黒っぽいカフェに男が十人くらい女も2−3人。中央で純白ウェディングドレスの女(王妃)が豪華なネックレスをつけている。それをはずすと、男(男)の膝にもたれてぐったり、仰向けにのけぞったり。
赤いピエロの帽子をもった男が歌う。あー、仏語と独語の字幕なんだなあ。リュートをかいならすと宝探しができる吟遊詩人がいるらしい。王が褒美は何がいいかと聞くと、妻がほしい、自分で見つけるから認めてほしい、と。この前提を聞き逃しても、物語がわかったのが驚き。
金髪ストレートロン毛のおじさんが気になる、と思ったら歌い出してテノールだった。貴族か。
赤いワンピースに小さな白いエプロンをつけた給仕の金髪女(エルス)が、赤髪の男に乱暴に扱われている。彼女が宝石が好きで、宝石をくれるというので、婚約者になった。初老の男(父)がきて、婚約者二人も急死してるが次は大丈夫だと、これももちろん聞き逃した。
リュート持った男(エリス)がやってきて、エリスが飲み物を渡す。彼が森で宝石を見つけたと話すとエルスがくいつき、エリスは宝石をエルスにあげる。冒頭のと同じネックレス。
エルスに乱暴していた男が死体になって運ばれてくる。森で見つかったと。エリスが疑われ、裁判官がエルスにせまる。
小休止のち幕があがると中央上手寄りに首釣りロープが垂れ下がっている!エリスは絞首刑になりそうになるが、歌っているうちに王の使いの伯爵がきて、中止になった。エリスは王妃のネックレスを探せと言われて去り、 エルスが一人で残る。ここのアリア、エリスを失うのを恐れているのだなあと涙したのだが、宝石が見つかると困るので召使いにリュートを盗ませていた。。。
休憩のち3幕。幕があがると同じ部屋で、横に長いテーブルがある。奥から乱れた服で疲れた人々が順番に出て来て椅子にもたれたり。奥で何があったんだろう・・・バレエ音楽が始まると、スローモーションで男女がペアになって抱き合い、男同士のペアもいて、三人になって、入れ替わったりする。あんぐり凝視しちゃった。
エルスが黒いドレスにネックレスをつけてやってきて、ついにエリスと結ばれる。テーブルの上に寝そべり、エルスはしばらく考えたのち、宝石をはずして、エリスに渡し、王妃に渡してくれと。エリスは驚いて去る。
一人になったエリスに別の男が迫り、ついにエリスは受け入れる。背後で茶コートのおじさんが見ていた。
ちょっと長めの小休止のあと幕があがると、全体がすごいスモークで霞んでいて美しい。。。春の訪れを表現したいたもよう。白いテーブルクロスがかかっている。
エリスはうつろに座っていて、貴族たちにどうやって王妃の宝石を見つけたのかとか聞かれていたらしい。
そこへ裁判官がリュートを持ってやってくる。エリスの召使いアルビが彼女の罪を白状してしまった。火あぶりの刑にすると。そこで道化が彼女を妻にすると言う。約束なので王は認める。
エリスが去り、エルスが一人になる。道化がなんかいってくるが彼女は嫌がっていた。
でもエピローグで二人は一緒になっていて、エリスが久々に訪れると、彼女は病気だった。エルスがくると、道化は窓辺に移動する。二人でなんか話した後、エルスは死亡。ここ、罪をおそれるエルスをエリスが慰めていたらしい。音楽が間延びしてて集中力きれた。
プッチーニとシュトラウスを合わせたような音楽とはよくいったもの。ドラマチックで心地よいんだけど、耳に残るメロディはない。でも物語が面白いので、Loy演出がはまる。前作「はるかなる響き」もよかった。このシリーズ続けてほしい〜。
内装が古風だが独特で面白い劇場。Parkettの高めの席にしたので、音もよく見やすかった。演奏も指揮もまずまず。テノールは憂いのある見た目がよく歌も迫力があったが高音が裏声になってきつい。ソプラノは細くて小柄だが婆さん顔なのでなぜ彼女がもてまくるのかいまいち謎だが、かなり歌えていた。
Loyの、これから物語が始まる感じ、が大好きでいつも泣かされてしまう。終わってからもずっとこの物語のことを考えていて、細かい演出を思い出して目頭が熱くなる。そしてまたこのオペラのことをずっと考えている。