幕があがると、白い四角い客船!三層になっていて、最上階が甲板。周囲は円形の壁が回転するようになっていて、客室もそこになる。客室からは下に階段が降りて、そこが一転、アウシュヴィッツとなる。舞台奥から手前に線路が貫き、荷台やナチの将校が出てくる。素晴らしい。。。この舞台装置を見るだけで来たかいがあった。
ポーランドの作曲家 Mieczyslaw Weinberg(1939-96) の1968年作。音楽は暗く、歌もキャッチーでなく、前半は演奏のテンポも良くなく、退屈したところもあった。
物語はアウシュヴィッツの生き残り Zofia Posmysz の小説を Alexander Medvedev が歌詞にしたもの。
ドイツの外交官Walterの妻Lisaが、ブラジルに向かう船で、昔みた顔をみつける。
舞台は一気に階下へ。壁がぐるっと回ると客室が消え、女の収容者たちが現れる。ロシア女性の拷問中にメモが見つかり、LisaがMartaに翻訳させると、恋人のTadeuszからのラブレターだが、2年も会っていないと。
休憩。SS将校が収容者にバイオリンで自分の好きなワルツを弾かせようとする。Tadeuszがバイオリンを取りにきてMartaに再会する。それを見ていたLisaはTadeuszを操ろうとするが断られる。
Martaが誕生日に死のアリアを歌う。Lisaが、Tadeuszは自分の命令で死ぬが、最後の演奏会で会えると伝える。
再び客船。Lisaがあの女性は誰かと気にしている。イギリスのパスポートを持っていたが、ポーランド語の本を読んでいたとか。甲板でダンスが始まると、かかった曲はSSのワルツ!
連れてこられたTadeuszが弾いたのはワルツでなくバッハだった。殺されに連れられて行く。Martaが現れるが、囚人服を着ておらず、「Never forgive」などといって、唐突に終わる。
はぁーーー。字幕おってるだけで疲れた。主人公の動機が嫉妬とか明確なものではなく、もてあそんでいただけ、というのが切ない。