客席にロッシーニが現れて舞台にあがり、中央に大きなバックを置いて、開くと奈落から役者が次々と現れて、台本を渡す。
次に舞台スタッフたちが釣り棒にだまし絵を描いた幕を取り付け、それがあがって、家具がいくつか並べられると、ドン・パルメニオーネの部屋ができあがり。最初から稲妻がなんどか光り、嵐をさけてアルベルト伯爵がやってくる。このテノールの出来がかなりあれれ。
同じバックを持っていたので、ドン・パルメニオーネの家来が間違える。一度、正しい方を持ったのに、違う方を渡してた。
二人はそのことにすぐ気づいてなんか相談。
場面転換。幕が差し替えられ、カーテンのだまし絵を描いた衝立も出てきて、ベレニーチェの部屋のできあがり。ベレニーチェは伯父に顔もしらないアルベルト伯爵との婚約を決められていた。中央に置かれた長い白いソファに座ってけだるそうに手紙をばらまいている。このソプラノの出来もかなりあれれ。女中のエルネスティーナとなんか話して、上手の陰で衣装を交換する。
伯爵に化けたドン・パルメニオーネが家来とやってくる。普段着のアルベルト伯爵もやってきて言い合い。この5人の重唱がかっこよくて、前半の山場。ここまで、曲間がほとんどなく、歌手に拍手をする間もない。ソプラノとテノールもだんだん良くなり、ロッシーニの超絶技巧が冴える。
その後は若干、緩やかになったが、超絶技巧はそのまま。
後半は詳細を読んでなかったのでわからなかったが。ドン・パルメニオーネが主人に化けたエルネスティーナにいいよって、アルベルト伯爵は女中に化けたベレニーチェに恋をして、ドン・パルメニオーネの家来とベレニーチェの伯父もなんか歌って、二つのカップルができあがったらしい?
舞台はベレニーチェの部屋のままであまり変わらず、背景の幕がなくなって、ドアの向こうに座っている人とかいちゃついてるベレニーチェが見え隠れするだけ。
最後は部屋の壁が全部倒れて、最初と同様、中央にバッグだけが置かれ、開くと奈落につながって、登場人物が次々と消えていく。
カーテンコールで演出家でてきた。白髪のおばあさん。面白い趣向であった。だまし絵なので、全体的に淡い色調。衣装もクラシックで小綺麗。と思ったらJean-Pierre Ponnelle、衣装が好きだった「シンデレラ」の人か。注:って調べたら演出家は1988年に亡くなっている。奥さんか?
音楽が非常によかったし、英語字幕でみたいなあ。あえて詳細は読まずにとっておこうっと。