幕があがると成長したSiegfried、刈り上げで乱暴。。。ああ、また。。。中央には壊れた飛行機、舞台上空には白い壁が浮いていて、ご丁寧に飛行機が落ちてきた穴まである。
Siegfriedに罵倒されながらもMimeは上手で剣を打ち、育ててやったと恩着せがましく言い続ける。Siegfriedは森へ逃げようと思ったが、両親のことを聞くまではとこの家を離れられない、らしい。
どうして英雄を文字通りの不良少年にしちゃうんだろう。2004年にみたミュンヘン版もそうだった。見た目普通の少年が、愛されないことに怒るという設定に、どうしてしてくれないんだろう。Mimeのキャラが憎めないから余計、不良少年だと感情移入できなくなる。
ついでにこのSiegfriedの風貌はネオナチなのか?Mimeがアインシュタインとすると、SiegfriedがMimeを憎んでいたのはユダヤだからで。。。こういうことに気づいてしまうと一気に冷める。もう見たくない。
ついにMimeは自分は生みの親ではなく、父親は死んで、Sieglindeという名の母親に父の折れた剣ノートングとともに託されたと教えてしまう。意外にいい奴。Siegfriedは剣を直せと命じてさっさといなくなる。
薄汚い格好をしたさすらいのWotanがやってきて、Mimeと互いに三つの質問をする。Mimeは小人族のこと、巨人が指輪をもっていること、神々のこと、と大まかな情報を得たのに対し、WotanはSiegfriedの素性を聞き出す。
Siegfriedが帰ってきて、Mimeが剣を直せないことを知ると、自分で鍋に入れて火にかけて、とけた赤い液体を鋳型に流し、冷水の桶に入れて自分で作った。そんな細かく演技で説明してくれなくていいんだが。それより歌に集中してくれ。ここの剣を打つ音が、めちゃうるさい上にリズムが合ってないので、ものすごくイライラした。ミュンヘン版ワルキューレのダンス級のいらだちで、一人ブーをしてみたが、観客はみな拍手喝采であった。
Stefan Vinke (独)、リングは2005年にケルンで初めて歌ってる。
2幕、このSiegfriedが嫌いなのと演出がチープだったのでいまいち集中できず。
Siegfriedが2畳分の芝生の上に寝転び、その上の黒い壁に星が輝いている。Siegfriedが母を思うのに合わせて羊と鹿のが出てきたり。なんじゃこりゃ。
場面かわって、序夜と同じニーベルハイム、白い床の、でも荒廃してる。負傷したAlberichの元にWotanがやってきて、また序夜の復習をして、Mimeの企みを教えたはず。
場面かわって、舞台の中央に黒い道が続いていて、真ん中になんかある。手前に蛇状の金属がうねっている。また木のリングで囲われていたはず。MimeとSiegfriedがやってきて、Mimeがピクニックマットを広げるが、Siegfriedに罵倒されていなくなる。
中央に照明があたると巨人族の生き残りFafnerがいる。でも動けないぽい。
作り物の白い鳥がひらひら飛んでいて、Siegfriedがストローみたいな草笛を吹いても管楽器のへんな音。また吹いてもへんな音。また吹くと、Fafnerが化けた大蛇が出てきて、Siegfriedが剣を振り下ろして倒し、かぶった血を飲むと鳥の声が聞こえるようになる。鳥ちゃんが吊されたソプラノになって曲芸やりながら歌う。この人はうまかった。
梯子が舞台面に横倒しになっていて、AlberichとMimeが両脇からやってくる。AlberichはFafnerが抱いていた黄金の人形を持ち逃げした。
鳥ちゃんが「指環と魔法のかぶり物は洞窟にある」と歌うので、Siegfriedは洞窟に入ってゲット。鳥ちゃんが「Mimeの毒に気をつけろ」と歌うので、戻ってきて飲み物を差し出すMimeを剣でぐさり。育ての親なのにー。鳥ちゃんが「岩山いって眠るBruennhildeを起こして花嫁にせよ」というので、舞台奥に去っていった。
また2回目の幕間が75分だったので、今日はフレンチレストランに行って大急ぎで戻る。
3幕、岩山。2夜の最後に立ってた白い壁が横倒しになって斜めにぐるぐる回っていらっしゃる。Wotanがその上を歩きながら、椅子を捨てたり、マットレスを捨てたりしつつ、かっこよく歌う!
しかもこの場面、雲がかかっていて、照明が光冠を作り出している。この演出家は照明あがりなのかなあ。Wotanが光の神ということもあるが、LED演出にしろ、照明は凝っている。でもそれが物語を補う演出にまで至っていないのが問題。
Siegfriedがやってきて、いろいろ言って引き留めようとしたが、岩山に行ってしまった。
場面かわって、白い壁が立っている。Siegfriedが扉をくぐって奥に行くと、ベットに横たわる姫を起こして、というのがなぜか影絵で映し出さされる。
で、Bruennhildeも出てきて、二人でギャーギャー歌うこと30分。。。つらかった。拍手喝采だったけど。確かに声量はある。でも心がない。二人の愛が全く感じられなかった。Siegfriedはたまに相手を見てるが、Bruennhildeは完全に相手無視で、自分がいかにうまく歌うかに専念していた。しかも、二人が離れて歌ってそれぞれにスポットライトがあたる演出が、全く助けになってない。そもそも演出家が愛を表現することに無関心なんだなあ。演出も細部ばかり細かくて、動かない時も多くて退屈する。
今日はよくなかった!4夜のチケットも取れていたのだが、出張と重なってしまって、別の日を探し中。もう安いチケットでいいや。。。