リングの最終夜は序夜に似てノルンの三人娘で始まる。下手前にErdaの骸骨がソファーに座っている。ノルンもみな黒っぽいボロ衣装に身をつつみ、赤い紐をたぐりつつ歌う。うまくない。序夜のラインの三人娘はうまかったのに・・・紐がきれて消えていった。
幕があがると岩屋で、SiegfriedがBruennhildeから馬、の頭の骸骨、をもらい、ニーベルングの指環を渡して旅立つ。
1幕。中央に白い細長いソファー。Hagenがふてぶてしく座って歌う。2夜でHundingを熱演してたSie John Tomlinson、また目が離せないす。若い男女は弟妹なのだが、子供たちかと勘違いしていた。Gunther(赤スーツ)に、岩屋にいる絶世の美女Bruennhildeと結婚しろと。彼女を連れ出せるのはSiegfriedだけなので、Gutrune(白ドレス)に彼を誘惑しろと。
Siegfriedが通りがかったので招待し、薬をもり、兄弟の杯をとらす。Hagenがソファーに横たわりながら顔にかぶせてウハウハしてたのはその兄弟の誓いで使った血のついたハンカチであった。
場面かわって岩屋。奈落から椅子に座ったBruennhildeの妹Waltrauteが出てきて、神々の凋落がひどいので、ニーベルングの指環をラインの乙女たちに返してくれと懇願する。ミュンヘンでよく見たMihoko Fujimura、めっちゃうまかった。ワーグナーは事情説明が多いからこうたっぷり情感こめて歌ってくれないと。
バカチビデブのBruennhildeはSiegfriedとの愛の証だから嫌だと。Waltraute去る。続いてSiegfriedが例のキュービックの魔法のかぶり物でGuntherに化けてやってくる。Bruennhildeは指輪を翳すが当人には効き目なく、あっさり敗北。
休憩。今日も劇場内のレストランは満席なので、外のレストランに予約を取りに行った。
2幕。中空にぼろ船が浮いていて負傷したAlberichが息子Hagenに復讐しろと歌う。
Hagenの家には金色の神々の像が並んでいる。Siegfriedが帰宅したので、結婚の準備をさせる。
ようやく白い正方形の、角を手前にした、明るい舞台。角に椅子が置かれている。その後ろに男女がわらわら並ぶ。両袖からSiegfriedとGutruneがそれぞれ出てきて、人の列をくぐって合流し、けこーん。
連れてこられたBruennhildeは抵抗するが、Siegfriedのはめている指輪をみて裏切りに気づき、Hagenにそそのかされて、Siegfriedの欠点が背中であることを教えてしまう。
2幕の演出はようやく人が動いてよかった。Hagenの追い込みもすごかった!
休憩。近くのレストランで夕食とって急いで戻る。
3幕。舞台がまた暗い。、、ラインの乙女たちが歌う。歌はうまい。Siegfriedがやってきたので、指輪を返すよう説得するがダメ。SiegfriedはHagenとGuntherにさくっと刺されて死んでもうた。この死んだ後からの音楽がよかった。
Hagenの家。四角い穴が複数あり、神々の黄金の像が入れられ、火がつけられ、チロチロ燃える。Bruennhildeがギャーギャー勝手に歌って終了。
序夜からあったリングが降りてきて、人間の女の子がのっていた。えっと、Bruennhildeが火に身を投げいれることで呪いが終わり、人間の時代になったという解釈!?
うーむ。これがロンドンのリング演出かと残念。Keith Warner、ダメだった。メトの「ローエングリン」で暗い演出から浮き出させるとか書いてあったのだが。これも全く同じ。暗い。舞台だけでなく衣装もメイクもボロボロ血だらけばかり。悲劇はわかった。でも「リング」はそれだけじゃダメでしょう。
戦犯は全く心ないBrunnhildeを歌ったSusan Bullock。SiegfriedのStefan Vinkeがいまいち下手なのは仕方がない(実際、最終日には少し良くなってたらしい)。Susan Bullockは声は出てたが物語は完全に無視。なんでこんな人が選ばれたのか謎。イギリス人だから?ブーもでないのがまた謎。