2017.8.18: Rossini "Torvaldo e Dorliska" トルヴァルドとドルリスカ @Pesaro

幕があがると森、天井まで覆う木が数本、中央に金属の門。おおー。門の両脇には煉瓦の壁が低くあり、上手側には花も植わっている。

森に男達が出てきてわらわら。門のこちら側でバスのおじさん(門番ジョルジョ)がなんか歌う。予習全くなしな上にイタリア語字幕なので全くわからないが、ここの公爵が極悪非道だと。なんか「Matilde di Shabran」に似てるぞ、演出も同じ人だし。

でかい男、とペサロでいうとNicola Alaimo、がやってきて、女中達が手洗いをもってきて、足を洗い、ガウンに着替えさせる。これが公爵。極悪非道というよりは、表情がコミカルで憎めない。でも愛するドルリスカを強奪しようと彼女の夫トルヴァルドを森で襲ったらしいヨ!逃げたドルリスカを探してこいと、もう一人のハゲバス(兵士長オルモンド)に命令する。

オケの周りも歩ける細い舞台になっていて、客席も使い、観客は城の住人になっている。舞台脇にも観客席があった。

場面かわって、森にピンクグレーのドレスの女ドルリスカが現れ、門の金をならす。門の下手側の壁に座って歌う。入れてもらった後、ここ公爵の城だよーと言われて逃げようとするが、公爵が帰ってくる。いきなり告白されて断ると、軟禁されてしまう。

場面かわって、森に男トルヴァルドが現れ、なんか手紙を書き、木こりに変装して、城の中に入る。この時点で、門番には正体を明かしていたらしい。手紙は瀕死の騎士からで、公爵はトルヴァルドが死んだと思って喜ぶ。’

一方、森ではハゲバスが木に登り、兵士達となんか歌う。トルヴァルドの死体が見つからない、公爵は人使いが荒いよと。

ドルリスカも手紙を読んで、オケ縁舞台で気絶する。両脇から階段がミョーンと手動で出てきて、上手から公爵、下手からトルヴァルドが手をさしのべる。ドルリスカが夫と呼びかけてしまうので、公爵は木こりの正体に気づく。オケ縁舞台がパカッと開いて檻がせり上がり、トルヴァルドが檻の中に入る。おおー。

休憩。ここで1幕のあらすじ読んで、公爵が極悪非道だと知った(爆)

客席から武装した村人達がわらわら出てきて、門番とオケ舞台でポーズを決める。舞台後方の演技用の椅子に座ってしまってどかされてる観客がいてちょっと気をとられたが。門番って村人側の人なの?赤いビラが天井から大量にふってくる。

門番とよく一緒にいるもう一人のソプラノ、名前は覚えてなかったが、目のでかい顔みて思い出した。ドラルーチェだ!「ガゼッタ」の。声もよく出ている。門番と手を取り合って森に消えていたので誤解していたが、門番の妹カルロッタであった。

舞台にはダイニングテーブルが出ている。白いドレスのドルリスカが、公爵にテーブルに押し倒されてあれ〜。結婚すれば夫を助けてやると言われたのに、名誉を守って死ぬと答えたらしい。

カルロッタが門番を説得して檻の鍵を受け取る。公爵が門番に、鍵もってろよと確認するので、しどろもどろになる。

オケ縁に檻がでてきて、カルロッタが開けてあげたのに、トルヴァルドとドルリスカは歌っててなかなか逃げない。トルヴァルドはまた檻に戻っちゃうし。

また両側からミョーンと階段が出てきて、公爵と兵士長が二人に剣を突きつける!手動なのにすごいテンション高い!!舞台にも兵士が居並ぶ。

そこへカーンカーンと鐘が鳴り、舞台に村人達と門番が現れ、兵士達を次々とぶち殺す。森に運び出され横たえられる兵士達の死体。。。たしか公爵も死亡。

トルヴァルドとドルリスカは抱き合って喜び、幕!!!

初日から完璧な作品。睡眠不足だったが、全く眠くならなかった。予習なしでも物語を追えたし。これが正しい演出。

歌手も全員よかった。ソプラノは去年のエレナのSalome Jicia。低めの声のソプラノで、ポストJoyce DiDonatoって感じ。テノールは出だしは声が弱かったが、後半はよかった。Dmitry Korchak、アルミーダのテノール三人衆の一人、puritaniはいまいちだったが。感情表現はもうひとつ。門番が非常によかった。Nicola Alaimoは安定の出来。オケの管楽器がちょいはずしてたのはご愛敬。

STAFF & CAST


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