2015.8.17, 20: Rossini "La Gazetta" 新聞

ねむい。。。2週間のハワイ出張の後、13時間だけ家にいて、1時間ねて、飛行機で2時間ねて、昼過ぎにボローニャに着き、ホテルで1時間ねて、8時からオペラ。

白い幕に覆われた舞台には大きくLA GAZETTAの文字。序曲がおわると、スーツに帽子の紳士達が椅子を持ち上げ新聞を手に取るのが影絵でみえる。ちょっとかっこいい。

幕は半透明の細長い板が並んだもので、その間から紳士達が出てきた合唱。かっこいい!

開いた舞台も周囲が白い幕に囲われ、中央に細長いテーブルが奥から手前に伸び、モデルの女が二人ファッションショーをする。そうここはパリ。テーブル席についた紳士達が新聞を読んでいる。そしてここはカフェ。

細長いテーブルにもテーブル席が作られ、薄い灰色のスーツ姿の男アルベルトが、いい女がいないと嘆く。お、金髪テノール!しかも足がめちゃ細い。早速、双眼鏡で確認すると、顔はちょっとおやじだが、声もいい。給仕がシャンパンや煙草をもってくるがむげにしてひたすらノートにメモ。

おばちゃん(ラ・ローゼ夫人)とおじちゃん(トラヴェルセン氏)と会話。みんな白黒のデザインはばらばらな衣装、おしゃれ。

天井から新聞記事を描いた垂れ幕が数本おりてきて、三人が動く台座にのって、懐中電灯で照らしながら、金持ちのドン・ポンポーニオの娘リゼッタの婿募集の新聞広告を読む。

ホテルの従業員たち(男4人+女2人)がカートにのった大量の荷物と黒い箱を運んでくる。箱には「DP」の文字。。。よく動く細い家来トマッシモ、歌手ではないがたまに喋る、なんかシュールで、ノッポさんと命名。

家来が箱の扉をあけると、巨漢の金持ちドン・ポンポーニオ登場。これぞロッシーニな激早口バス!新聞広告を出したから娘の求婚者が世界中からくるだろうと。

幕が下りると、三人がでてきて、バカにして笑う。幕の間からドン・ポンポーニオと家来が聞き耳をたてている。

場面かわって、天井から大きな「HOTEL」の文字、ホテルの従業員たちがせわしくなく作業をしている。細長いテーブルが横向きに並べ替えられていて、中央の主人のフィリッポが、実はリゼッタの恋人で、新聞広告どうしようー。

すぐ旅人の父娘アンセルモとドラリーチェが到着。フィリッポが相手をする。

テーブルが分断されて、従業員たちが運んできた椅子がその間を通る。そこに座って下着姿でグラマラスなリゼッタ嬢登場。またテーブルが横並びになり、ブランド物の買物袋が次々と運び込まれ、その上を歩く。コロラトゥーラの美しいちょっと太めないい声だ!

再びホテルのレセプション。なぜかノッポさんが忙しく電話対応のマイムをしている。

アルベルトがやってきて、リゼッタに求婚するが、フィリッポが自分の妻だと言う。ドラリーチェが来て、またアルベルトが求婚するが、父が自分の新聞広告を出したと勘違いして、泣いて逃げる。

ドン・ポンポーニオが来たので、アルベルトは、自分はアレクサンダー大王の末裔フィリッピだと嘘をつき、求婚する。来たリゼッタに、ドン・ポンポーニオが、結婚相手はフィリッポだと言い間違え、アルベルトは、彼女は宿の主人と結婚していると言ってしまい、ドン・ポンポーニオが怒る。

このへんはわかりにくい。が、「ゼビリア」と同じ五重唱はめちゃ熱くて大満足!ここで一幕が終わったのかと思っちゃったよ〜

みな退場し、残ったドラリーチェが、アルベルトを好きになってしまったと歌う。この歌はよくてすごい拍手だった。

フィリッポはドン・ポンポーニオに、自分の妻はリゼッタと言ったのは嘘で、本当はラ・ローゼ夫人だとまた嘘をつく。そしてリゼッタに求婚するため、金持ちのクエーカー教徒がやってくると。そして自分がクエーカー教徒になりすます準備をする。

リゼッタがやってきて、父から、フィリッポは妻帯者だと言われ、怒る。父娘の二重唱。これもよかった!

合唱団をひきつれ、赤いマントをきたフィリッポが登場し、リゼッタに求婚。でもリゼッタ嬢は断ってしまい、大混乱!メインキャスト勢揃いの8重唱!熱かった〜。リゼッタ嬢は声量もあり、群をぬいている。それに比べてドラリーチェの声が全然きこえないんだが。

ここまで1時間半。長い。濃い。後半は1時間らしいからがんばろう。休憩のち2幕。

おばちゃんおじちゃん三人とドラリーチェが出てくる。トラヴェルセン氏がドラリーチェの父に、娘をくれと求婚。お前かよ!

気が進まないドラリーチェに、ラ・ローゼ夫人が結婚を勧める。ホテル従業員が印刷した色とりどりのハートマークを手にして。

フィリッポとリゼッタ(黄色のワンピースに着替えてる)がやってきて、まだもめてる。フィリッポは自分のズボンのベルトをはずし自殺未遂。それは無視されたが、重唱しながら仲直り。ツンデレだ。

次に出てきたアルベルトは全身緑のスーツ!これ似合う人はなかなかいないんじゃないか。アリア歌う。これも聞いたことあるアリアだ!なかなかよかった。ドラリーチェを愛しているらしい。あれ、冒頭にはリゼッタに求婚してなかったか?後半のあらすじ呼んでなかったので、誰と誰が組むのがドキドキ。

フィリッポがやってきて、アルベルトにドラリーチェが愛しているのは君だと。ドン・ポンポーニオに決闘を申し込もうと。ここの理屈がわからん。

鉄棒みたいなに囲まれた場所で、まずアルベルトとフィリッポが決闘。脱ぐ!白いシャツ姿まで。ドン・ポンポーニオはその勝者と決闘するらしい。ノッポさんが最初は拳銃、次にフェンシングを手渡す。続いてライトセーバー、、、背後で自分の腹にも刺してうえぇとかずっとやってる。後ろの方でホテルの従業員たちがパンこねながら見物してて、ノッポさんは途中でピザもらって食べようとしたが、呼び止められてやさぐれ。鉄棒で三人はバレエダンスの練習をするが、アルベルトがまじうまいのが微妙すぎる。

場面かわって、女三人がでてくる。ドラリーチェ(ピンクのワンピース)がリゼッタに、フィリッポが舞踏会を催すので、トルコ人に変奏した二人と駆け落ちしようと。以降オペラ「イタリアのトルコ人」と同じ。音楽も同じ!

ドン・ポンポーニオがリゼッタに出発をせかすので、ラ・ローゼ夫人の助言通り、リゼッタは超絶コロラトゥーラで歌い気絶、ノッポさんがピエタのポーズで抱きかかえる。また動く台の上にあがり、選挙演説ぽく歌って、「自由!」とか書いた垂れ幕を落とす。

フィリッポはドン・ポンポーニオに、偽のトルコ人たちが娘を奪いに来るので、お前もトルコ人に変奏しろと、羽根のついたでかい帽子を渡す。これぜ全員のトルコ衣装確保。天井から世界各国の旗(イスラエルとか)が天井からおりてくる。

舞踏会。ピンクの衣装の女4人、白っぽい王子服で仮面をもった男が二人、あと二組が相手を見つけたところで、ドン・ポンポーニオもきて、大混乱。二組は一度は逃げたが、戻ってきて、それぞれの父に許しをもらい、ハッピーエンド!

4人の女のうち、よく見ると二人は男で、一人はAの文字でエアギターしてた。細かい。。。

楽しかった〜〜〜

スター歌手がいなくても、音楽よし、歌よし、テンポよし、大がかりな舞台装置はなくとも人を動かしたうまい演出、最初から最後まで勢いがあり、テンション高かった。奇跡的な舞台。これだけ揃うの難しいんじゃないの。Teatro Rossini最高傑作に決定!アンコールも数度、ものすごい拍手だった。

舞台中ずっと時折、白い文字が運ばれてきて、イタリア語でなんか言葉が描かれる。言葉がわかるともっと面白いのかも。衣装は前半は白黒だったのに、登場人物が自我を確立するとカラーになるっぽい。

もう一度いい席でみたくて、初のパルコ買ってしまったー。

赤い眼鏡の指揮者、見たことあると思ったら、Glyndebourneの「Poliuto」、あれもよかった!

歌手はみな初見。コロラトゥーラのソプラノ Hasmik Torosyan、アルメニア人。去年の「ランス」で脇役だがメモしてあった。もう一人(Raffaella Lupinacci)の方が拍手が多かったが美人だからかな。なにげに三回目(Aureliano, Argeri)。金髪テノールは顔がふけてるのはメイクで、本人は若かった。Maxim Mironov、ロシア人。バリトン、バスもよかった。

ノッポさんはイタリア人役者で、初日後もレストランで会ったのだが、英語が全く通じなかった。二日目は三人の子供をあやしながら歩いて帰っていった。やはりノッポさん。

以上7人のサインをゲット!(最多記録)みんな有名になると思うよ〜

STAFF & CAST


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