いきなり映像。古い映画館の大家のところに老夫婦と娘がやってくる。オレンジのワンピースをきた掃除係に色目をつかった老人が、彼女に睨みをきかせた妻と一緒に荷物置き場で・・・大家はサスペンダーをはずしてマッチョな男の写真をみながら・・・それを赤毛の娘がのぞき見する・・・という悪趣味極まりない始まり。
舞台が開くと同じ映画館で、下手のチケット売り場があり、上手でポップコーンを売っていて、オレンジのワンピースが掃除をしている。透明感があっていい声だ!銀髪のマッチョな男がきて、なんかいう。この劇場は字幕が小さいので双眼鏡使わないと読めない。。。
銀髪マッチョRodomonteが脱ぐと馬の骸骨みたいなロゴが胸に描いてあり、戦闘用の金網でできた上着を着せられると、劇中劇が始まる。タイトルは「AngelicaとMedoro」、映画館のポスターにもなっている。映画館のスクリーンに森を歩く映像が流れた後、本物が登場。二人とも白い衣装で、透明な声のソプラノとテノール。
掃除係は羊飼いの娘Eurilla、バックパッカーのPasqualeといい感じになっていた。オルランドの従者のはずだが、あまりオルランドの味方をしていない。
ここで、客席の真ん中でHealth problemが発生し、舞台が一時中断。係員がアナウンスして、場内の灯りがついて、その列の人はみな立って係員が連れ出す。。。再び幕が開くとEurillaとPasqualeがダンスのポーズでうまく再開した。
オルランドがAngelicaを狙っているので、Medoroが一旦離れるみたいなこといって、座席の背にハートマークを描きまくる。でも離れられず客席の影でいちゃいちゃ。
みながいなくなった後、劇場の最前列に座っていた男が振り返るとオルランドであった!小柄でちゃちい!!このオペラでは完全なギャクキャラだから・・・ポップコーンとか壊しまくる。
最後はみなが出てきて重唱、ここはテンションあがった。赤毛娘が魔女Alcinaを演じ、オルランドの邪魔をしまくる。
休憩のち2幕。
映画館は廃墟になっていて、舞台中央に馬が倒れていて、Rodomonteが座っている。彼が立ち上がると紙吹雪と映像で雨を演出。森の映像が燃えていて、火が広がり、老婆がセットの木を移動する。火の中から黒い鷲?が飛び立った。
老婆も馬と同じ格好で倒れる。老人が抱くと目を覚まし、二人で映画館の前の方に座る。なんのこっちゃ。
Rodomonteが森で弁当を食べている。それを追っている男が一人。場面が変わると湖で、Rodomonteが捕らわれている。オルランドも捕らわれて、互いに目隠しをされたまま、手を触れあいいやーな感じ。。。目隠しを取られるとお互いに拒絶して、男=大家の和平作戦は失敗に終わった。
という小芝居が、めちゃ美しいソプラノのアリアと同時進行で行われる。。。集中をそがれるが、映像は無音なので、双眼鏡でソプラノだけアップにすれば問題なし!
Alcinaが檻みたいなのをオルランドの頭にかぶせて退治。
暗転のち3幕。Pasqualeが譜面代もってきて現れ、へんな高音で歌う。カンターテナーじゃないけど〜とか字幕でも幕に映し出される。譜面は上下逆さまだったらしく、Eurillaが直してタップを踊る。
幕が開くと映画館は廃墟のまま。馬の骸骨のような仮面をつけた半裸のダンサーたちが踊る。オルランドとRodomonteが剣で決闘。オルランドが刺されて倒れると、ダンサーたちが胸に馬の骸骨を描くと生き返った。
大家が映写機をもってきて、オルランドと作った映画をみなで見る。森でAngelicaを助けようとしたMedoroが討たれ、二人が敵を倒すものの、Medoroは頭から血を流して死亡。という映像を見ながら、Angelicaが歌いまくる。
最後はまたみなで重唱。ダンサーたちも背後を通り過ぎる。元の「狂えるオルランド」は全くわからないが、二組のカップルができて、老夫婦も仲良く、大家と銀髪、魔女とオルランドもハイタッチして、題意団円で終わる。
バロック的オペラなので、これくらい奇抜でないと、退屈してしまうからよかったと思う。指揮のIvor Boltonがノリノリでさすが。Glyndebourneできくバロックはあんなに眠いのに。
こんな歌手いたのかってくらい、名前は知らないがみな素晴らしかった。とくに予定変更のAngelica役のAdela Zaharia、Eurilla役のElena Sancho Pereg、コミカルなPasquale役のDavid Portillo。みな初見。