2010.7.10: Massenet「Manon」@London

ネトレプコの「マノン」を見に。前半は、ちょっと調子悪かったのか、声にあまり張りがなくて、彼女のピークも過ぎたかと思ったが、後半はさすが。

デ・グリュー役の Vittorio Grigoloも前半はいまいちだったし、声量があって情感たっぷりなのだが、全体的に高音がやばすぎ。

小悪魔マノンの話はプッチーニが有名だが、マスネの方が物語がしっかりしてて断然いい!耳に残るメロディはないが。演出もよかった。

1幕は従兄を待つ世間知らずの夢みる生娘、1幕の最後にデ・グリューと出会って駆け落ち。2幕ではパリでラブラブ同棲中だが、野心を捨てきれず、デ・グリューが父親に連れ戻されるのを許してしまう。「行かないで!」とは言ったが、強くは止めなかった。

3幕ではリッチな貴婦人だが、偶然デ・グリューの父に出会って未練を思い出し、神父となっていたデ・グリューの教会に乗り込んで、ベッドの上で服ぬがして奪還成功〜(こえー!)

4幕では拒むデ・グリューに賭博をさせて、大金を手にして調子に乗っていたのもつかの間、警官に逮捕されてしまう。5幕は追放中のところをデ・グリューに助けられるがあえなく病死。(合掌)

1幕の装置は、パリの風景を模した二階に黒服の所たちがストップモーションで現れる設定で、なかなかよい。2幕のアパートは、柵とドア枠と階段だけで表現されていて、非常によい!

これで期待したのだが、3幕1場は、上手から下手のスロープによる舞台面の三分割で、よくみる形。2場は、椅子を並べた教会堂の手前に神父の部屋、上手の祭壇は表さず。

4幕は遠近法と階段で上空にも広げたパーティ会場、5幕は遠近法で曇り空を表したシンプルなもの。1,2幕のインパクトに比べると後半は失速したかな。

演出はLaurent Pelly、「連隊の娘」も作った人らしく、演劇的で、これまた注目だ。

ネトレプコも演技派な方で、1幕のぶりぶり生娘もやってたし、4幕の悪女っぷりはさすがの貫禄。それにコーラス隊も圧倒する声量!

Vittorio Grigoloも3幕で悩んだり、5幕で嘆いたり、すごく気持ちが入ってよかった。これで高音が出れば・・・顔も濃くて私好みではないがなかなかよろしいのに。

STAFF & CAST


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