デ・グリュー役の Vittorio Grigoloも前半はいまいちだったし、声量があって情感たっぷりなのだが、全体的に高音がやばすぎ。
小悪魔マノンの話はプッチーニが有名だが、マスネの方が物語がしっかりしてて断然いい!耳に残るメロディはないが。演出もよかった。
1幕は従兄を待つ世間知らずの夢みる生娘、1幕の最後にデ・グリューと出会って駆け落ち。2幕ではパリでラブラブ同棲中だが、野心を捨てきれず、デ・グリューが父親に連れ戻されるのを許してしまう。「行かないで!」とは言ったが、強くは止めなかった。
3幕ではリッチな貴婦人だが、偶然デ・グリューの父に出会って未練を思い出し、神父となっていたデ・グリューの教会に乗り込んで、ベッドの上で服ぬがして奪還成功〜(こえー!)
4幕では拒むデ・グリューに賭博をさせて、大金を手にして調子に乗っていたのもつかの間、警官に逮捕されてしまう。5幕は追放中のところをデ・グリューに助けられるがあえなく病死。(合掌)
1幕の装置は、パリの風景を模した二階に黒服の所たちがストップモーションで現れる設定で、なかなかよい。2幕のアパートは、柵とドア枠と階段だけで表現されていて、非常によい!
これで期待したのだが、3幕1場は、上手から下手のスロープによる舞台面の三分割で、よくみる形。2場は、椅子を並べた教会堂の手前に神父の部屋、上手の祭壇は表さず。
4幕は遠近法と階段で上空にも広げたパーティ会場、5幕は遠近法で曇り空を表したシンプルなもの。1,2幕のインパクトに比べると後半は失速したかな。
演出はLaurent Pelly、「連隊の娘」も作った人らしく、演劇的で、これまた注目だ。
ネトレプコも演技派な方で、1幕のぶりぶり生娘もやってたし、4幕の悪女っぷりはさすがの貫禄。それにコーラス隊も圧倒する声量!
Vittorio Grigoloも3幕で悩んだり、5幕で嘆いたり、すごく気持ちが入ってよかった。これで高音が出れば・・・顔も濃くて私好みではないがなかなかよろしいのに。