2019.4.2: Verdi "La forza del destino"

2017年アムス遠征したChristof Loy演出でAnna NetrebkoとJonas Kaufmannの競演、ついでに指揮はAntonio Pappano先生と、今年の一番の目玉演目。二人が競演するのは10公演のうちの3つくらいで、チケット争奪戦がすごかった。一般発売前に売り切れになったし、たまーに見かけたリターンも速攻で消えてバスケットに入れられない。でもまた強運を発揮して、今日のチケットをゲット。2枚セットでゲットしちゃって1枚は直前はリターンに出したくらい。

演出が崩れてる。。。下手に窓、上手にドアの白い壁で囲まれた部屋。テーブルに少年少女がいて物語の設定を演じる。アムスではこの前奏部分で泣いたのだが。。。

少女が少年を抱えてピエタのポーズをするのもないし、一人の少年がヨーヨーを執拗に転がすのもない。ヨーヨーは運命のメタファーなのに!

続いてでてきた青のドレスのNetrebkoは、もうかなり太ってるが、最初から丁寧に歌っていい感じだ。こりゃ彼女の圧勝かなと思ったら、窓からバーンとやってきたKaufmannも演技がすげえ。歌も珍しく最初からしっかり歌ってた。じゃないと負けちゃうしね。公演間の休日も多いしね。

銃が暴発してレオノーラの父親を殺してしまうところ、映像を背後の壁に流す演出が大劇場だと効いていた。

人々がなだれこんできてストップモーションから2幕の酒場のシーンへ、この転換はやっぱり圧巻。でもアムスではメゾが歌う脇で女装の男達がなんかしてたのだが、女になってた。。。

その後、Netrebkoが洞窟に籠もる前に聖職者たちにめっちゃ犯されてたシュールな描写もカット。ウィリアム・テルのグロシーンでクレームついたから?ルチアのグロシーンはやったのになあ。刺殺はいいけどレイプはダメとか。

休憩のち3幕。背景に戦場の写真。Kaufmannが正体しらずに兄と友達になったり怪我したり正体ばれて憎まれたり。今日は本当に手を抜かずに歌ってるけど、一割くらいの確率で全く声がでない時があるんだよなあ。はりあげがはまるとさすがにすごいんだけど。なぜこれが百発百中のFlorez先生より人気なのかわからん。

3幕後半のダンス「ラタプラン」も圧巻。緑帽子の男ダンサーズは同じだったが、女装の男がみつからない。。。あれ、嫌だと思ってたけど、ないとさみしい、クレイジー感が足りない。。。

冒頭のセットに戻って、二人が再会。今日はKaufmann全力投球で9割ですげえと思ってたけど、やっぱりNetrebkoは偉大。もう高音はでないが、歌える演目を選んで、きっちり歌ってくれる。さすがプロ。ミュンヘンではHarterosでみたが、ごめん別次元。

階段奥にいって兄に刺される。階段の下の方の壁際で刺されてた。もっと真ん中でかっこよくやってよー。テーブルにのって冒頭のピエタ再現、されてない。。。最後はPappano先生ががっちり盛り上げて、大満足。

カーテンコールでNetrebkoがKaufmannががっつり抱き合ってた通り、がっぷり四つだった。アムスで泣いた演出は崩れてしまったが。これもまたオペラの醍醐味。ただ、アムスだったら何回でも見たいけど、今日のは一回でいいかな。

今日は神父がFerruccio Furlanettoで、説得力がすごかった。このおじさん、こんなに痩せてたっけ?兄役のLudovic Tezierも声はよかったが、聞かせどころで演奏より遅れがちになるのをPappano先生が置いてきぼりにするのが難点。踊るメゾVeronica Simeoniはアムスではいいと思ったけど、この大劇場では声量が足りない。メリちゃんもアムスと同じAlessandro Corbelliだが及第点。指揮は、Mariottiの方が断然よかった!Pappano先生は、私が飽きただけかなあ、あざとく聞こえる。

STAFF & CAST


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