2018.4.8: Strauss "Ariadne auf Naxos"

前にもみたRobert Carsen演出。開演前からダンスの練習が始まっている。

序曲が始まるとそれに合わせて踊る。うーむ、演奏がいまいち決まらない。ベルリンの方がよかった。歌手もベルリンの方がよかった。。。

前半は十数枚の鏡の間で作曲家、女優、プリマドンナらの人間模様が繰り広げられる。

作曲家は代役のAngela Brower、低めの声はいいが高音がしょぼい。でも代役にしては全く違和感なくがんばっていた。下手のピアノの前で変更をきき、大反対するが、ダンサー女にキスされて、新しい譜面をてくてく歩いて本物の指揮者に届ける。後半は下手脇にずっと座っているだけ。

女優ツェルビネッタはバスタオルを巻いただけの姿で登場し、他のダンサーらに色気をふりまくる。黒髪ボブのかつらを脱いで、自分のロングヘアを見せつけたり。後半はずっと赤いハイヒールをはいている。声が全然きこえない。

プロマドンナは頭にスカーフを巻いたマダムっぽい格好で登場し、これまた同じ黒髪ボブのかつらを脱いだ後は、かつら係りがロングヘアのかつらを持って追いかけていた。声は割と出ている。

テノールも偉そうに茶色のロングコートで登場し、削るなら女のとこにしろよとか言っている。見た目が若いのが違和感。声はまあまあ。

声が非常によかったのはバリトンの音楽教師?だけ。

人間模様と同時進行で、舞台係りが、もともと黒い舞台にさらに巻いてある黒い床のシートを広げて、全体を真っ黒に染める。

小休止のち幕があがると、横も背後も真っ黒。黒いドレスにロングヘアの女たちが横たわってうめいていて、中央は悲嘆にくれるアリアドネだったが、他は男もまじっていた。コーラスの女三人の声がなにげに出ていていい。

ツェルビネッタは黒いピアノに隠れて4人の男優たちに運ばれてきて、一枚ずつぬいて黒いパンツ一丁になったダンサーたちとからみながら、自分もドレスを縦にちぎって腰に巻き、胸元も破いて開いて、超絶アリア。ずっと全く声がでてないのに、このアリアだけは声がでていた。音程がかなりテキトーだけど。みなすごい拍手してて甘過ぎ!

ずっと真っ黒だったのに、後方の壁が少し開いて真っ白な光が差し、テセウスの声がきこえる。声はまあまあだと思ったが、壁越しだといまいち。壁がどんどん広がり、ダンサー込みで十人くらいのアリアドネと十人くらいのテセウスが、縦に並んで前後する。最後は二人きりになったテセウスとアリアドネががっつりキスして、ハッピーエンド。テセウスの最後の高音はずしたー。

赤いヒールの女が満足げに通り過ぎ、幕が閉まった後、作曲が誰もいない舞台に一人で佇む演出はいい。

後半は黒づくめセットなし、5−20人の人を動かすだけ。このオペラの演出はChristof Loy演出と甲乙つけ難いと思っていたが、前半はいいけど、後半は飽きるな。歌がものすごくよくないと。

STAFF & CAST


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