2023.5.29: Riccardo Zandonai "Francesca da Rimini" @Berlin

幕があがると花柄の壁紙、中央は階段で三段ほど高くなっているが白い幕で覆われている。バイオリン弾きの道化が花束もってきた乙女4人とたわむれる。上手のドアが開くとスーツ姿の男たちが来て道化を連れていき、ボコられて帰ってくる。イタリアのマフィア設定か。

いよいよ中央の幕があがる。白い窓枠の向こうの景色が・・・美しい・・・!白幕はって溜めただけのことはある。これにて感涙。Claude Lorrainの絵で、画家二人が280時間かけて再現したらしい。お見事!!!

黒ワンピのFrancescaに紫ガウンの病気の妹Samaritanaがどこにも行かないでーと。中央上手寄りに横向きになってじっと立ってる執事Smaragdiが気になる。

人々がきて、彼女の結婚相手がきたよ、すごいかっこいいよ、庭からくるよ!と盛り上げまくったところで、細身の髭テノール登場、ストップモーションでポーズを決める。正直、見た目はびみょーだったが、あれ歌い出したらいい声してるじゃないの。よくみるとイケメンだわね、私の好みでないってだけで。

Francescaも恋に落ち、赤いバラを渡すと、男Paoloはバラにキスしたのち、彼女にもキス。これは萌える・・・男たちが入ってきて結婚契約書を渡され、サインしてしまう。傍らにいた男が意地悪く笑っていたので、何かあるなと。

幕あがると数ヶ月後。戦争が始まって、FrancescaがPaoloと再会、義理の姉とか言われて、でもあの時は何も知らなかったと。

窓の前の狭いところで、俳優達が転がっては立ち向かい、戦争が描かれるのが秀逸。なんか一人イケメンがいるなあと思ってたら、赤毛の男が中央の椅子にもたれて気絶して、しばらくたって起き上がって庭から逃げた。

彼女が結婚したのは彼の兄のデブGiovanni通称Gianciotto。もう一人の兄弟Malatestinoは戦争で片目を負傷した。戦争が終わり、喉がかわいたでしょう、とFrancescaがワインを渡す。彼女が不適に微笑みながら毒味をしたのち兄弟三人とも飲んだ。Paoloも彼女を見つめ意を決したように。

前半おわってすごいブラボーの声がかかる。すごい緊張感だった。

幕があがるとまた数ヶ月後で春。窓の外の背景は薄いピンクのみ。Francescaが執事にワインに何したのよとか言っている。4人の音楽隊がきて舞台で演奏する。4人の乙女は花柄のワンピースで他の男とカップルになってたり楽しそう。憂鬱なFrancescaのためにドレス屋を読んで生着替え2回。ワンピースを脱いで膝下ドレスのちロンドレスに、どれも色は黒。

Paoloが来て、一緒に本を読むうち、好きだと、ドレスを脱がされ舞台中央の床に二人で抱き合うと幕。

幕があがるとまた数ヶ月後、食卓に夕食の支度がされている。窓の外は黒。そこへやってきて抱き合う男女はFrancescaと、、、Paoloじゃない!年上で片目の弟Malatestinoだ!彼女のスカートに手をつっこんだり。。。Francescaが奴隷の叫びで夜も眠れないと言うと、彼は斧もってドアから出ていく。

デブの兄Gianciottoが一人でいいるところにMalatestinoがフィグをとってきたよ〜と血みどろの人肉をかざし、テーブルの皿の上に置く。ひえー・・・兄が弟とFrancescaの中を疑うと、Malatestinoは自分じゃない、Paoloだと、彼が夜に彼女の寝室に入って朝に出てきたのを見たと。Gianciottoは自分で確かめるまで信じないと。

また中央に白い幕がかかっている。Francescaは下手の床で黒いコートの上でねていた。白いワンピースの乙女たちが疲れてるのねと歌い、最年少の女の子は蝋燭をつけるのにもたついて彼女を起こしてしまう。彼女は病気の妹を思い出すと悲しげ。女の子がいなくなると、最後までじっと上手に立っていた執事も追い出す。

入れ替えに入ってきたのはPaolo。そんな大声で歌ったらみんな起きちゃうよ−、と心配になったのもつかの間、物音がする。白い幕がするするとあがる。そこにGianciottoがいるのか?そうなんだろう!と思ったらそうではなかった。Paoloが庭から逃げようとするもガラス扉に鍵がかかっていて出られない。

Gianciottoはドアから入ってきて速攻で二人を刺殺。庭の外に道化の後ろ姿が・・・彼を逃げられないようにしたのは道化だったのか。。。

プッチーニの後継者と目されたリッカルド・ザンドナーイ(1883-1944)、ドラマチックな音楽と難しいアリアが素晴らしい。これ一発だったらしいが。

Loy演出にぴたりと合わせた指揮Ivan Repusicもよかった。去年の初演はCarlo Rizziで軽快でよかったんだろうなあ。DVD購入決定。

タイトルロールのSara Jakubiakは「ヘリアーネ」もよかったので期待通り。かなり太ってしまったが。テノールJonathan Tetelmanは初見、1988年生まれのチリ人、ヒゲない方がいいと思うけどなあ。

Loy28作目であった。

一日たって、黒幕は執事だったのだと思いついた。ワインの件しかり、冒頭からじっと立ってたし。Francescaに秘かに思いを寄せていて、Paoloと結ばれるくらいならと?妄想膨らんでこわいよー。

STAFF & CAST


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