2014.2.20: Puccini "Turandot"

ずっと昔にみたJose Curaでみたのと同じ演出。たぶん前回は疲れてて眠かったんだな。見直すといい作品だった!

背景は三階建てで民衆がずらりと並び、天井からは赤い布が数本垂れ下がり、でかい生首が飾られている(リアルではないのでグロくはない)。音楽が始まると赤い布がさっと落ちて、ダッタン人の三人が登場。中国っぽい服で、紫が盲目の国王、黄色はその女奴隷リュー、青が王子カラフ。。。

Alfred Kimすんげーーー不細工。名前からして韓国系、ソウルで学んで、ヨーロッパで受賞多数、各地に出ているらしいが。高音はでてるが、声が太く、ドミンゴのバリトンと並んだら、こっちが悪役だと勘違いすること確実。加えて、終始ぼーっと突っ立ってるだけで演技する気、皆無。自分がうまく歌えればそれでいいっぽい。3幕の名曲の後はうっすら笑みまで浮かべてた(怒)。Jose Curaは立ってるだけで甘かったなあ。冷血な姫が恋しちゃうのわかる。。。

でもIrene Theorinはすごかった。強弱つけつつ、姫の狂気、葛藤、最後に潔さまで見せて、圧巻だった。乙女な感じは全くなくて、共感もできないが、この作品はこれでいいのだろう。前回も姫役はTheorinだった。コペンハーゲン・リングで絶賛された後のはずだが。

乙女な部分はリュー役のAilyn Perezがもってった。Viorettaとか歌ってる人だから花あるし、超高音はぎりぎりだったが(リューってこんな難しかったのね)、終始かわいく、はかなく、彼女の自殺によって物語が急展開するのに説得力があった。

1幕はその後、緑の大車輪と竜の舞がでてきて、天井から黄金の雲をしょった皇帝が降臨、仮面ダンスの群舞のあと、赤な着物と白い半仮面をつけたトゥーランドット姫登場。ペルシア王子を演じる子供がひったてられて、檻に入れられる。謎解きに失敗したので斬首される予定。その脇でカラフが姫に一目惚れ。

2幕は三人の大臣が踊りつつ姫の殺戮の歴史とか、国に帰りてえとか。その国を描いた幕がちゃちすぎて印象に残ってしまう。姫が出てきて、おどろおどろしく歌って謎解き。 毎夜生まれては明け方に消えるものは?:希望
赤く、炎の如く熱いが、火ではないものは?:血潮
氷のように冷たいが、周囲を焼き焦がすものは?:トゥーランドット
姫は降りてきた皇帝に結婚したくないとかごねるので、カラフは謎解きを一つ出す。「明朝までに私の名を見つけたら、私は死のう」なんでや!

3幕は丸い提灯でうろうろする民衆の合唱から始まる。名前を見つけるまで寝てはダメと姫が言ったらしい。赤い着物のカラフはここで名アリア「誰も寝てはならぬ」

三人の大臣が交換条件を出しても受けない。リューが引っ立てられてきて拷問され、名前は言わないと自刃。ついにおとなしくなった白い着物の姫にすかさずカラフがぶちゅーーーっとキス。押し倒して俺はカラフだ、と。

降りてきた皇帝に姫が、彼の名前は愛!じゃんじゃかじゃーん。

プッチーニが作ったのはリューの自殺までで、ここまでは確かに熱く、難しい曲も多かった。でも最後にカラフのアリアのリフレインで終わるなんてことは、プッチーニだったらしないに違いない。そりゃいいメロディだけどさ、二回つかったらおしまいよー。つか3幕の冒頭でも使ってるし。

STAFF & CAST


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