2019.1.19,28: Tchaikovsky "The Queen of Spades"

よく作り込んだ舞台、リビングルームで上手には茶色の扉、壁にはドレス姿の女の肖像画がかかり、背後にガラス扉がある。下手寄りにピアノが一台。床もきれい。

パパゲーナの歌をパクったような旋律のオルゴールが鳴り、グレースーツの爺が鳥かごを持ち上げる。ソファーに座ったふてぶてしい男が立ち上がり、ドイツ語で会話して去る。上手の扉が開き、黒い羽根をつけた女が通り過ぎる。

爺がピアノを弾くと音楽が始まり、背後のガラス扉から大勢のグレースーツの老人が出てきて、コップ片手に合唱。ぽかーん。毒入り水のんで自殺したチャイコたち。続いて、白黒メイド服の女中たちと、子供たちもわらわら。子供達はマーチみたいなの歌って行進!すごい壮観なんだが、衣装がみなモノトーンなのでいまいち盛り上がりに欠ける。もったいない。。。

上手の扉から、紳士達が4人でてくる。これまた微妙に違うグレーのスーツにカツラをつけていて、、、子供たちが去り、紳士たちにつっこまれて、若い男ゲルマンが恋をしたと告白。

また人々がわらわら出てきて、淑女たちの中にその相手リーザがいる。でも彼女は白髪のエレツキー公爵の婚約者であった。

人々が去って、黒髪のトムスキー伯爵がピアノにあがって伯爵夫人(リーザの祖母)の秘密を語る。絶対に勝てる3枚のカードがあるらしい。John Lundgrenで安定の出来。対して、カードほしい〜というゲルマンAleksandrs Antonenkoはまあまあ。

人々の影に隠れて奈落からリーザがあがってくる。グレースーツのメゾといちゃいちゃしながら。爺たちが去って女たちが入り、場面はリーザの部屋に変わり、婚約を祝う。

上手の扉から恰幅のいい女中が出てきて、うるさい!と一喝。みなは帰る。

ガラス扉からゲルマンが侵入。影の爺もついてくるのが、非常にわかりにくい。リーザに受け入れてくれないなら自殺すると言って、爺に銃を渡される。

上手の扉から今度はネグリジェ姿の伯爵夫人が出てきて、寝なさい!と一喝。ゲルマンは暖炉に隠れてた。その後、ついに二人はくっついた。

背後の壁が移動して鏡面が現れ、舞台全体を舞踏会の広間が覆い、みなが蝋燭もって出てくる。ここは壮観。

リーザがゲルマンに鍵を渡し、ゲルマンがよしこれでカードの秘密が手に入る!と言ったところで求刑。これ、2幕のど真ん中なのだが。

夜、誰もいないリビングにゲルマンがやってきて、伯爵夫人に見つかり、椅子に座らせて毒入りの水を飲ませる。えー、事故じゃなうて殺人すか。

場面かわって、男達が集まる。さっきの男装メゾが青い羽根をつけ、別のソプラノが赤い羽根をつけ、小鳥を演じている。トムスキー伯爵が赤の鳥ちゃんをめっちゃ犯す。青の鳥ちゃんがそれを助けて一緒に逃げていった。

ゲルマンに伯爵夫人の声がカードの三つの札を教える。リーザがきて、抱き合うが、ゲルマンは賭博場へいってしまい、リーザは自殺?

ゲルマンがピアノにあがってカードの札を唱えるが、エレツキー公爵にスペードの女王だろうと言われて負けて倒れる。たしか黒い服に着替えたリーザが出てきた。

うーむ、Stefan Herheim演出、「シチリアの晩鐘」がよかったので期待していたのだが。策におぼれた感じだ。鏡の舞台セットとかよかったんだけど。エレツキー公爵をチャイコと同一視して、黒子としてもずっと舞台に置いておくのは、灰色の爺がずっと舞台上にいることになるので、単に見た目が美しくない。

Pappanoはさすがにうまく盛り上げるし、Westbroek & Lundgrenの歌もよかったのだが。主役のAntonenkoも敗因か。声はまあまあ出ているのだが、全く心に響かない。とくに28日は風邪でアナウンスがあり、最初から最後までひどい声だった。Fabianoくんとか脆く儚いテノールの方がいいんじゃないかなあ。

STAFF & CAST


目次に戻る