やっぱり行ってよかった。1幕で泣いてしまった。ハイC連打でなく、その前に、マリーを思ってふつーに歌ってたところでもう泣けた。いつも一音一音が丁寧。
ハイC連打は、余裕すぎて、ハイC連打の気が全然しなかった。ふつーにいいアリアだなーと思って聞いてて、終わった後の割れるような拍手で、そうだハイCのやつだった、と思ったくらい。そりゃあ、兵隊達もみんな味方になっちゃうよね。
初演は2007年だから、本人もだいぶ年とって子供もいるし、若作り感は否めないのだが。トニオは膝丈のズボンで、兵隊達につまはじきにされたり、洗濯物につっこんでこけたり、両思いがわかってデレデレしたり、、、今でもラブリーなんだけど。
あと今回気づいたこと:マリーの話ききながら芋むいて食ってた!
舞台は地面が世界地図になってて、後方が少しうねって山になってるのが、本当にすばらしい。それだけなのに、天井までセットがあるわけでもなく、小さい舞台なのに、すごくダイナミック。2幕はそれを斜めに茶色の城の部屋が覆うのだが、壁は枠だけなので、後ろに山並みがすっと見えているのが、マリーのせつなさを倍増させる。Laurent Pellyはすごい、今一番すごい演出家だと思う。
2幕の冒頭は、女優が小ネタをやることになっているのだが、今回はKiri Te Kanawaを担ぎ出した。御年70歳らしいが、なんか歌を一節うたった。
マリーとトニオと父代わりの隊長との合唱が大好き。ロッシーニみたいだ。そしてFlorezはここでも丁寧で響き渡る。
マリーを金持ちと結婚させようとしてたおばちゃんであるが、トニオがまた超絶歌うから、味方になってしまう。他の客人たちの前には、さらにダメ押しで戦車で登場。もーこれ考えたの誰!このオペラでこれよりいい演出ってありえないだろうなあ。
初演時にもベタ褒めの記事みつけた。当時はDessayの方が格上で、声もまだ出てただろうけど。
ロンドンのマリー役は前回2012年からPatrizia Ciofiがやっている。トニオもColin Leeだったので、安いチケットもってたけど結局行かなかった。Ciofiは、先日のバルセロナでDamrauの代役。悪くなかったし、ファンサービスもよかったので、今回も期待してた。
開演前にHoltenが出てきて、客席にため息がもれたが、悪い知らせじゃない、ただCiofiは背中?の調子が悪いと。。。声はなんとか出てて、カーテンコールではめちゃ喜んで舞台にキスしてた。キャラがDessayに近いから、演技は問題ない。姫よりじゃじゃ馬の方が合ってる。
問題は声質なんだよなあ。透明感がなくて美しくない。逆に合唱で透明感ありありのFlorezをひきたてて、意外と相性はいいんだけど。ああ、やっぱり、ソプラノはOlgaちゃん。
出待ちしようとしたけど、パーティだというので早々に断念。Holtenいたし、そうだろうとは思っていた。