2016.7.1: Iain Bell "In Parenthesis"

WNOの新作オペラ。David Pountney演出、Carlo Rizzi指揮なので。1980年ロンドン生まれの若い作曲家がWelshの詩に基づいて書いた。第一世界大戦中のソンムの戦いを描く。史実の時期とずれてるけど。

舞台は上下にふくらんだ円弧が印象的。まるで人の目のよう。シルエットで人々が浮き上がる。背景には映像が映し出され、時間や天候を表す。人々は背後にいたり、舞台面に降りてきたり、頻繁に立ち位置を変える。

上手から女、下手から男が出てきてぞれぞれ演説する。ブリタニアとゲルマニアの代表。合唱が「男達は美しいと歌う」、戦士たちのことか。

John Ballという若い男が軍隊に遅れてくる。Southamptonへ行進。続いて、床に並んでゆれて船を表現。フランスに着いたもよう。

戦闘が始まる。夜、戦士達は地下に半分隠れる。壁が降りてきて、そこに彫られた通路にBallを含む二人の兵士が隠れている。緊張が高まったところで、ドイツ軍からクリスマスキャロルが聞こえてくる。ここわからんかった。

朝、ずた袋をもった男が前線にやってきて、物資を配る。食料とか煙草とか。物資は不足しているらしい。

休憩のち2幕。

フランスのカフェ、兵士達が休んでいる。カフェの女たちが歌う。

さらに激しい戦闘で、兵士が次々と倒れ、Bellは精神に異常をきたす。生き残ったのは彼だけだった。

木が天井から降りてきて、女神が歌う。いきなり天国のイメージ?

何が言いたいのか全然わからなかったが、現代オペラのわりに音楽はそんなにノイズでなく、指揮の盛り上げもよかったおかげか、眠くならなかった。

舞台を広く使い、人と物を動かすDavid Pountneyの演出は健在。戦争モノとしては「The Passenger」には及ばないが、見てよかったと思う。

STAFF & CAST


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