回転舞台に金属の枠だけで作られた城!門、塔、バルコニー、寝室と細部まで作り込まれている。その城に歌手があがったり、歩き廻ったり、ベッドに腰かけたりする。背景はグラデーションの照明だけで、終始、影絵のような印象を与える。で、それが回転するのだ!
今年のベスト演出確定。「愛の妙薬」の藁ピラミッドもびびったけど、今回もお見事!のりにのってるなあ。これから目が離せない。
指揮も、丁寧なのにきっちり盛り上げて、元々の楽曲の美しさが際立って、ああ、いい歌手でみたい。。。ソプラノは声量は悪くなかったけど高音が出てない、テノールは音程は合ってたけど声が全然のびない。
まあ、前に見たのがEdita Gruberovaだからな。。。あれが私がみた4本目のオペラ、初めて二回続けて見たオペラであった。ほんとラッキーだったよなあ。あれがなければ、今こんなにオペラにはまってないと思う。
1幕はでかい城まるごと。兵士たちがわらわら出てきて中庭で合唱。パリの合唱は人数も多くて安定してる。奥から聞こえてくるソプラノが弱くて不安を覚える。清教徒のリッカルドが、城主の娘エルヴィーラと結婚できないのーと嘆く。
出てきた純白ドレスのエルヴィーラが城の部屋でジョルジョ叔父さんと、王党派のアルトゥーロとの結婚を許してもらえるかもーと喜ぶ。
エルヴィーラのヴェールが運ばれてきたところへ。しろん女がやってきて、アルトゥーロが話しかける。アルトゥーロはその女にヴェールをかぶせる。それをリッカルドが見つけて決闘になるが、女が違うので逃がす。それをまんなエルヴィーラに伝えるので発狂〜
休憩のち2幕。城の壁を残して居間みたいな空間。暖炉に火が灯される。ここで火を使うのもインパクトあっていい。エルヴィーラまだ狂乱。リッカルドは死刑。
場面かわって、城は小さくなり、塔にエルヴィーラがこもっている。アルトゥーロが帰ってきて抱き合って正気に戻ったのもつかの間、アルトゥーロの死刑が決まってまた狂乱。でも王党派の負けが決まって、死刑はまぶがれたらしー。
パリ演出はいい。これまで一本もはずれがない気がする。近年のイギリス演出はグロくていけない。流血と裸体は禁止にしてほしい。そういうものを出さずに物語を紡ぐのが演出家の腕の見せ所だと思うのだが。