2013.4.15: Verdi "Nabucco"

舞台にはさまざまな高さの四角い無機質な塔が乱立している。背景はスクリーンで俯瞰した映像が映し出されている。人々が塔の間をぬってやってくるのに合わせて、舞台の奥からも人々がわらわらと出てくる。衣装は黒っぽくて現代的。

ユダヤ人たちがバビロニアが攻めてくるぞーと。集団から割って出てきたのはヘブライの大司祭ザッカーリア。太い声がいい感じ。

人質のフェネーナ姫を連れてくる、、、あれ、デブ?これががっかりデブで、デブなのに歌もいまいち。黒いドレスに灰色のロングコートも冴えない。ヘブライ王の甥イズマエーレと秘かに愛し合っていて、そっと抱きかかえられるが、全然説得力なし。

あらたに黒いロングコートの女が乗り込んでくる。腹違いの姉アビガイッレ、イズマエーレにはふられる。これもデブ!でも歌はうまかった。ちょっと荒いが声量がある。Liudmyla Monastyrska、「アイーダ」「マクベス」でも好演。張り上げるところは非常によいのだが、低音はもうちょっと丁寧に歌ってほしい。

またあらたにスーツ姿の男というか老人がやってくる。黒スーツに黒シャツ黒ネクタイ。これがバビロニア王ナブッコ、これが三大テノールの生き残りPlacido Domingo!(Jose Carrerasはまだ生きてるけど。)御年72歳なので、さすがに動きは鈍い。。。

ザッカーリアがフェネーナに剣を突きつけて脅すと、イズマエーレが飛び出して救い、ナブッコは神殿を破壊せよ!と。なんのこっちゃ。

2幕、バビロン。金属枠の像が運び込まれた部屋で、アビガイッレが自分が奴隷の子である文書をみつけ、きりきり怒っている。ヘブライ人たちは、フェネーナではなくアビガイッレが王位につけと言う。

場面かわって、ヘブライ。映像では、四角い塔が倒され、女たちが犯されている。民衆たちが同じような色彩の服をきているので、区別がつかない。民衆たちに足音で気づいた、舞台には本物の砂が敷き詰められている!

人々はイズマエーレの裏切りを責めるが、ザッカーリアがフェネーナはユダヤ教に改宗したと!そこにアビガイッレがフェネーナの王冠を渡せと。ナブッコもやってきて、王冠を奪い、自分の頭に乗せる。と、証明が落ちて、Domingoの頭がぐちゃぐちゃになっている。雷鳴が落ちたのね。

休憩のち3幕、金属枠の像の部屋。アビガイッレのところへ、囚われでよれよれのコート姿のナブッコもやってきて、なんか書類にサインさせられる。フェネーナとへプライ人たちを死刑にする書類だったらしい。気づいたナブッコは慌てて怒ったり泣いたり。アビガイッレは奴隷の子の文書を焼き捨てる。

人々が舞台中央で丸く集団になって合唱。どっちだかわからないが、ユダヤ人たちの「想いよ、金の翼に乗って行け」。オペラ的にもこの中盤で一転、静かになるのはいい。

4幕、黒い舞台、金属枠の像が運ばれていく。ナブッコが正気を取り戻し、フェネーナを救うことを誓う。こっちもユダヤ教に改宗したの?

女たちが男たちに引きずられて、舞台面に並べられる。ナブッコがやってくて、像を壊せというと、金属枠の像が音もなくばらばらになる。アビガイッレは悔いて死亡。みなはナブッコを讃える。

演出は、いろいろな試みをしているが、全体的にモノトーンなのと、主要キャストがほぼ棒立ちなのとで、物語が生まれにくい。Daniele Abbado、パリの「湖上の美人」と同じ人、意外。

2013.4.20: Verdi "Nabucco" #2

ドミンゴはもうテノールの音は出なくて、爺の泣き演技でウケてる感じ。それでもチケットは即日完売、当日券も争奪戦。

前回は最上階だが、前の方だったから悪くもなかった。今回は立ち見だが、近い席なので、疲れたけど、よく集中して見られた。

爺の泣き演技とか言ってても、私も見終わった後、また見たいと思ってたから、あの魅力はさすがだな。

STAFF & CAST


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