2016.10.7: Verdi "Macbeth"

Loy演出はヨーロッパ各地でやってて、WienでのBo Skovhusとの新作「Hamlet」(9.14-23)が目玉なんだが、ブラジル出張で日程が合わず、再演を二本。2012年Geneve初演。この劇場ではたぶん初、新聞記事配ってたから。

リセウはチケット高く、Loy演出は中央から見ないといけないので、最上階の最前列。うーん、遠い。。。双眼鏡使っても表情がぎりぎり。Loy演出は近くでも見ないといけなかった。。。

白いカーテンの向こうで芝居が始まっている。椅子が一脚。銀髪ロングの女がカーテンから出てきて倒れ、カーテンが開く。思いっきり素舞台。「Don Giovanni」の舞台の使い回しのような、、、両側に暖炉っぽい出入り口がある。奥に黒い階段、その脇の黒いカーテンの向こうに大きな花瓶。完全にモノクロ、全幕、全く色がなかった。

ヒゲはやしたり性別の入り交じった女性コーラスが半裸の男ダンサー数名を囲んで歌う。森での魔女たちの輪舞。女たちが去ると、スーツ姿の男が数名話す。字幕わからん、人間関係がわからん。マクベスが領主になったはず。

奥の階段からマクベス夫人登場、黒髪で真っ黒なドレス。低めの声では歌はなかなかの迫力。初見の歌手、誰だこれ!夫をそそのかし、ダンカン王を暗殺、従者に罪をきせる。血とかでてこないからこの殺しのシーンわからんかった。人々がまたぞろぞろ出てきて、マクダフとバンクォーが殺人者だと騒ぐ。

素舞台の上に、場面転換もなしなのね。こりゃ予習が必要だ。休憩中であらすじを頭にたたき込む。

休憩のち二幕。舞台の中央に縦にテーブル、食器がずらっと並んで壮観。ミラノの「Othello」演出とかぶる。マクベス夫妻が話す。「バンクォーは王の父になる」の予言について。

両脇にコーラス隊がでてくる。上手でバンクォー一家(子供も2−3名)が席に案内される。気づくと下手に連れ出されたバンクォーがばったり倒れていた。また殺しのシーン逃した。。。

人々が席につき、マクベス夫人が出てきて歌いまくり。王位を祝う宴で、マクベスが取り乱したはず。

休憩のち三幕。魔女達が出てきて、テーブルにのり歌う。ヒゲのすらっとした男(バンクォーの息子?)が連れてこられて、魔女達に思いっきり服を脱がされる。ようやく、キタキタキタ。魔女たちは鍋で黒い液を調合し、他のダンサーたちになすりつける。嵐の照明。

マクベスがやってきて、予言をきく。奈落からケースに入った金短髪イケメン(前王?)のマネキンがゆっくり出てくる。同様のマネキンがあと数体、王の亡霊達。マクベス夫人がきて、予言をきき、また激しく歌う。

赤い蝋燭を灯しつつ、男性コーラス隊がずらっと舞台の前面に並ぶ。背景から白い光が差す。黒い幕が下り、若いテノール二人が歌う。マクダフとマルコム(ダンカン王の息子)。

場面かわって、また白いカーテン越しに椅子一脚のしかないマクベスの部屋。マクベス夫人が銀髪になって倒れる(狂死?)。

男性コーラス隊がでてきて、マクベスとマクダフが剣をかざして戦う。マクベスが予言「女から生まれ落ちたものには負けぬ」を言うと、マクダフは「俺は女の腹を破って生まれた」と返した、はず。マクベスが倒れて、暗転。

Loy演出を見に来たのに、見所はマクベス夫妻の歌だった。まあでも歌がよかったのはコーラスまで徹底的につけた演技のおかげだと思うけど。ストップモーションが多すぎてちょっとテンポ悪かった。それは指揮とヴェルディのせい。この作品はヴェルディにしては駄作だ。

バリトンはLudovic Tezierは「運命の力」「ルチア」で見てる、どちらもヒロインの兄。上手かったと思うけどとくに印象なし。今日はかなりよかった。前回がKeenlysideだからなあ。檻もインパクト大だったし。

ソプラノはMartina Serafin。ロンドンにも2013年に「トスカ」で出てたらしい。見逃した。初演キャストはDavide DamianiとJennifer Larmore。

STAFF & CAST


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