2014.7.7: Rossini "Il turco in Italia" in concert

サクソン・プロヴァンス音楽祭に初参戦。フランスの舞台裏方の非正規雇用者の対偶が変わるとかで、アヴィニヨン演劇祭もここもストライキ。この演目も4日の初日はキャンセルだった(同日のモーツァルトはやったらしいけど)。今日もやるか不安だったので事前に確認に行くと「アートの危機」みたいな看板が。

しらなかったのだが、この音楽祭のメインステージは大聖堂前の仮設劇場で、客席には屋根がない。上演中にシャワーの予報があるので、別の常設劇場で代わりにやると。でもセットを動かす時間がないので、「opera in concert」だと。。。「semi-opera」だという情報もあったのだが。丸々キャンセルよりはましだけど、たっかいチケット(115EUR)とってわざわざ来たのに。

劇場に行くと同じカテゴリーの別チケットに交換される。最前列だった。オケが思いっきり舞台にのっている。semi-operaでもないのね。。。最前列には歌手用の椅子がずらっと並んでいる。

でも出てきた歌手達は衣装を着ていて、かなり演技をしていた。煙草やタイプライターなど小道具も持ち込んで。

最初に熱かったのはアルバザール役のJuan Sancho、老ジプシー役だが臙脂色のスーツで帽子もって踊りながら歌って、二番手のテノールでソロも少ないが、やる気まんまんだった。

ザイーダはモノトーンのスーツに白いレースのショール、普通にマダムな感じだけ。詩人プロスドーチモも夫ドン・ジェローニオもスーツ。

フィオリッラは臙脂系のかわいいスーツにショートボブのかつら、帽子。対照的にセリムはシャツにズボンにニット帽と個汚い感じ。テノールのドン・ナルチーゾはLawrence Brownleeで、こいつが一番演技してなかった。

Olgaちゃんは赤いドレス&金髪かつら、白いドレスと着替え、追い出された最後は黒い肌着に生着替え!歌はすごかった。。。これってFiorillaのためのオペラだったのね。浮気しまくる嫌な女ではなく、魅力的で憎めない。最後は思いっきり悔いて嘆くから、夫に許されてよかったなあと思えた。ロッシーニがやりたかったのはこれなんだと思った。

最前列だったから、歌いながら「Walk to him」とか他の歌手に指示を出してるのがたまに聞こえてきて、まさに座長って感じだった。芝居途中で指揮台に置いた煙草を指揮者に渡されて、泣きながらいらん!と無視するのもご愛敬。

STAFF & CAST


目次に戻る