2016.12.18: Massenet "Werther" @Bologna

Juan Diego Florezのフレンチ・オペラ三部作:OrpheeLes Huguenotsで、Werther。FavoriteもGuillaume Tellもフランス語なんだが。

音のコントロールは完璧でお見事なんだが、なにかいまいち物足りないというか、Kaufmannばりの哀愁はでないよなあ、底がみえた?、と思っていたのだが。Michelle Mariottiに出会えてよかったね。

CDにも入ってる3幕の有名アリア、難しく延ばす旋律とまた違う旋律のオーケストラがからみあい、、、ものすごいことになっていた。CDでは再現できないであろう。いつまでたっても鳴り止まない拍手に観念したようにアンコール、当然、同じ出来にはならなかったけど、やってくれただけでものすごい幸せ。ウィーンに続いてのアンコール体験となった。

ちょっと変わった舞台もよかった。幕があがると家の外壁、光が差すと中が透けて、ウェルテルとシャルロッテが仲むつまじく。これは役者。

外壁の紗幕があがると、中はリビングで奥の庭がみえる。家の周りは鏡で、下手に木があり、緑の葉が落ちてくる。

リビングに子供達がわらわらでてきて歌い、小太りの女(とその父)が世話をやく。横縞シャツにズボンにサスペンダーという超冴えない格好だ。始まる直前にプログラムみて気づいた、ソフィーはRuth Iniesta、今夏のペサロで大活躍だった。相変わらず、演技が細かく歌うと伸びるいい声!

二階のテラスに赤いワンピースにエプロンつけたいかにも素敵なシャルロッテが登場。木のたもとでウェルテルとめっちゃいちゃいちゃしてましたがな。あんた婚約者いるんじゃ・・・

婚約者アルベールきて、実はと告白すると、ウェルテル絶望。てか伸び伸び歌ってただけであんまり絶望の感じはしなかった。

暗転のち2幕。背後の家ではシャルロッテの結婚式が行われているもよう。家ははけて、緑の葉がいっぱい落ちている。男女カップルが数組でてきて、白い敷物をひき、ピクニックをはじめる。男が二人でてきてなんか歌う。ウェルテルもきて独白するとストップモーション。緑のワンピースに着替えたシャルロッテにまた言い寄り、断られて、逃亡。このへんははっきりいって退屈だった。

問題はシャルロッテなのだ。声量はあるが、声が暗いので、感情の起伏がわからない。Isabel Leonard (1982米)、人気らしいし、私もNYで見てるのだが。

それでも幕の最後の1分くらいは毎回、Mariottiが完璧に盛り上げて熱いんだけど。これが正しいフレンチオペラなのかしらないが、Pappano先生のとだいぶ違うけど。

休憩のち3幕。上手より本の並ぶ一区間がアルベール家の居間。地味なズボン姿のシャルロッテがウェルテルの手紙を読んでびびっていると、妹ソフィーがきて慰める。いい声だ、舞台が明るくなる。

妹入れかえにウェルテル侵入!まだうだうだ言ってんのかなあと思ってたら、文頭のアリアがきて頭かちわられる。書き置きをテーブルに叩き残して去り、帰ってきてアルベールが見つけて、シャルロッテがびびって暗転。

ここの暗転は音楽が続く。Mariottiが盛りに盛り上げて銃声バン!

4幕。幕があがると下手に倒れた木があるのみ。下手からきたシャルロッテが上手のソファーにいる胸を血に染めたウェルテルを見つけ、舞台中央に這い出してご臨終。下手袖がソフィーが歌い、、、幕!!!

ごめんGrigolo、あんた全然うまくないや。Joyceはやっぱりうまいのね。もっと艶のあるメゾはいないのか。。。4月のシャンゼリゼでのロールデビューはJoyceとだった。チケット取り損ねて行けなかったけど。来年4月もチューリッヒでやるけど、もう見る気しないなあ。

FlorezとMariotti、カーテンコールで仲良さそうに。2012年前にPapannoとMeyerbeerデビューしなかった理由がわかるような。ボローニャ初遠征よかった!

来年はしばらく見た作品の再演で、夏にLucrezia Borgiaロールデビュー、でもコンサート形式。またイタリアオペラに戻るのかな、しばらく休むのかな。

STAFF & CAST


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