2014.2.12: Mozart "Don Giovanni"

ロイヤルの芸術監督Kasper Holtenの新作。去年のEugene Oneginしかり、また頭でっかちな演出なのかなあ。

幕があがると前面壁、ドアとか柱とか模した、割と作り込んであるけど灰色の壁。照明でなんか文字が描かれる。

モーツァルトの前奏が退屈、と思ってたら終わる前にLeporelloが出てきて梯子をかけ、壁のバルコニーにあがって歌う。なるほど、照明で色をつける仕掛けか。

二階のドアの奥から淡いピンクのドレスの肩をはだけたDonna Annaが登場、後ろからDon Giovanniがでてきて、あれあれな感じ。地上階に父が出てきて、Don Giovanniが刺し殺してしまう。照明真っ赤。Donna Annaは出てきたDon Ottavioとともに復讐を誓う。Donna Annaのドレスの胸の部分が黒くなっている。

壁の中央部がぐるっと回ると家になっている!二階建てで階段が二つ、すべて灰色で家具も装飾もなし。二階でDon GiovanniとLeporelloが話してるところにDonna Elviraがやってきて、二つの階段を駆使して逃げ切る。Donna Elviraは淡い緑で細かい柄のドレスで目立たない。LeporelloがDonna ElviraにDon Giovanniの女性遍歴を話してきかせる。スペイン人1000人とか。

場面かわってZerlinaとMasettoの結婚式、人々に囲まれて祝福されている。そこへ二階からDon Giovanniが声をかけ、友人として財産をやるとかなんとかいって、Zerlinaと二人きりになる。

バルコニーでウェディングドレスを後ろからたくしあげ、、、でもここはDonna Elviraがきて未遂。Masettoとの言い合いの後、舞踏会で人々がまた家に集まり、部屋の奥に去るDon GiovanniをZerlinaが追いかけていった。ここもそうですか。

もうやだとかいうLeporelloに金を渡し、やってきたDonna Elviraを誘惑させる。Leporelloの灰色のコートにDon Giovanniの真っ青なコートを照明で移したり。そう、Don Giovanniはズボンもコートも真っ青、Oneginと同じなのだ。不実な色男シリーズ第二弾てか。第三段は何があるだろう。

二人はコートを交換し、Don Giovanniはバルコニーで女と出会い、女は全裸になって退場。女はLeporelloの恋人だったことが後で判明。

Donna Elviraがその気になってキスしていると、人々がやってくる。Leporelloのコートを着たDon GiovanniがMasettoをボコボコにして逃げる。ZerlinaがMasettoを介抱する。Don Ottavioが高らかに殺人犯めと歌う。Donna Annaが父の頭の石像を抱いてやってくる。それでもDonna ElviraはDon Giovanniが忘れられない。

二階中央に石像がいる。Leporelloがやめとけというのもきかず、Don Giovanniが夕食に招待してしまう。すると雷が鳴り、地上階でDon Giovanni悶えて死ぬ。地獄に引きづられるのでなくふつーに死んでいった、のがかえってよかった。この演出だったらKeenlysideはまりそう。。。

うーん。Donna AnnaもZerlinaも思いっきり浮気してたし、人の善意がどこにも感じられないどこにも同情できない演出だったので、好きではないのだが、拒絶できない、さすがとうなるものがある。第三弾に期待してしまう。

休憩中、バーのあるホールでインタビュー撮影してて、Kasper Holtenをガン見してしまった。話してる内容は聞こえなかったけど。

主演Mariusz Kwiecienは、ドン・カルロのポーザ、i puritaniのリッカルドと良い役ででてるなあ。私はKeenlysideと比べてしまうけど。Donna Anna役Malin Bystromはfaustcosi fan tutteで、Doona Elvira役Veronique GensはAlcesteでも好演。

STAFF & CAST


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