2018.7.26: Verdi "Les Vepres siciliennes"

いやー、ひどかった!

話好きのドイツ人のおじさんにネタバレされてしまったのだが、バレエ音楽「四季」のモダンバージョンが挿入される、しかも結婚式のアリアの直前という一番いいところで。。。

ヴェルディの音楽も合唱もよかった。指揮はひどくて、音楽と合っていないところが多数。というか、オケや合唱が指揮を完全に無視しているのだな。指揮者は歌手のとこも全くみていなくて、せっかく拍手きてるのに次を初めてしまったり。若くて熱血そうだが、才能なし!なのにここのプレミエとか重要な指揮をかなり負かされているらしい。謎だ。

舞台は背後に黒い幕が上がったり下がったりするだけ。ところどころへんな異物が。。。

冒頭、オレンジのライフジャケットをきた若い男が倒れている。

次に出てきた合唱隊は、ピエロみたいな顔のフランス兵と骸骨マスクをかぶったシチリア人に別れている。登場人物はみなへんなメイクをしている。エレナ公女は上半身に金の飾りがついた黒いドレス。プローチダは光り物がじゃらじゃらついたスカートみたいな衣装。

英語字幕がみえない席だったので、物語の詳細は追わず、音楽だけを聞く。Bryan Hymelは力入ってるけどスコーンと抜けるいい声してるね!

モンフォルテ総督の部屋、黒い壁が中央に鎮座されている。と思ったら、その壁は開いて、水槽にマリア像が入っている。空気がボコボコしている。アンリがきて、母の話になると、水槽の水がぬけ、人間の女がダイビングマスクを持っていた。。。

水槽以外は前半は無事にすぎた。

休憩のち後半、シチリア側の数人は捕らえられて、天井から人が吊されているのがグロい。。。ロープにつながれたエレナの元にアンリがやってくる。

アンリがロープに首をかけながら歌おうとしたところで、テノール急変!そこまではあんなに張ってたのに、急に高音が不安定になり、かなり不協和音。前半を飛ばしすぎたのか?練習でも不調で、前半しか歌ってなかったらしい。。。ずっと張り上げっぱなしの難しいロールだから、傷めてしまったのかもしれないし、代わりが見つからないのかもしれない。Bryan Hymelがんばれ!!

天井からダンサー二人が吊されたまま踊ってアンリとエレナの恋を表現。白とピンクの紙吹雪もおりてくる。でもBryan Hymelの調子が気になりすぎて集中できない〜

プローチダがきて、アンリは総督の息子だとばらす。気づいたらフランス国旗色のコートの総督が後ろにいた。この歌手が他の三人に比べて劣るので存在感が終始ない。エレナが死刑にされそうで思わず「父ちゃん!」前言撤回の総督。みなで手をつないで重唱。Bryan Hymelはぎりぎり持ち直した。

問題はこの後だ。字幕に「四季」と表示された後、テクノぽい音楽が流れ、モダンダンスが始まる。指揮者はヘッドフォンをしていて、オケはリズムに合わせて弦を手ではじく。

このオペラで最も美しいソプラノのアリアはそのまま始まる。オケの開始がばらばらで、ソプラノがものすごく歌いづらそう。それでも高音はちゃんと当てたので、小休止後の歌い出しを間違えてしまった。太めだがいい声してるのにもったいない。Rachel Willis-Sorensen、つい先日ロンドンで聞いたのに覚えてなかった。

天井から5本の白い布がおりてきていて、白いドレスのエレナが巻かれていた。

でもプローチダが婚礼の鐘で襲撃するよーん、なら結婚しない!戸惑うアンリをよそに総督が鐘を鳴らしてしまい、骸骨マスクのシチリア人がフランス兵をボコるモーションで幕。邪悪なSchrottだけはよかった。

はぁー・・・ソプラノとテノールが難しすぎて滅多に上演されないオペラをロンドンがやったのが2013年。Stefan Herheimの演出が素晴らしく、指揮はPappano先生だった。ソプラノだけは弱かったが、今日のとは比べものにならない・・・その後の再演と合わせて4回みてる。

昨日と逆に今日のSucheは楽勝。開始1分で安いいい席が手に入った。現地の日本人の知り合いも、売ろうか見ようか迷っていた。

STAFF & CAST


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