2019.7.31: Wagner "Die Meistersinger von Nuernberg"

今年のオペラフェストも千秋楽はPetrenko&Kaufmannのワーグナー、と思ったら数日前に降板の知らせが。オテロの一本目の後にオケに彼女の誕生日祝いをさせて以来、とんずらしたらしい。

代役はDaniel Kirchしらん。sucheは買い手市場で値切ってる人までいて、空席多数。もったいない。

オケピに現れたKirill Petrenkoは、拍手が大きくなるのを待たずに速攻で演奏を始めた。その最初の音!!!開始4時だったので若干ぼーっとしていたが、一気に目が覚めた。その後の序曲は完璧に美しく、また涙ぼろぼろ・・・その後鼻水すすってて迷惑なことこの上ないわたくし。

2016年にみたDavid Bosch演出。「L'elisir d'amore」もだが、全体的に暗くて汚い。現代衣装で、ヒーローはチンピラ。ヒロインは純白ワンピに赤ベルト。

1幕は背後にリングがあるが、使われない。Waltherが車でやってきて、Evaを誘惑するだけ。膝丈幼年たちに続いて、スーツの親方たちが来て、Waltherを歌合戦に参加させるか議論する。Christian Riegerさんどこ?(3幕でみつけた、リーゼントだった)

2幕のSachsの店も車で、その前にテーブルと椅子がある。背後は上手にEvaと下手に他の人の家がある。Davidきて、Evaきて、Beckmesserが来て、電飾ついた脚立にのってウクレレで歌い、脚立が故障して煙でて、町の暴動に巻き込まれる。

舞台奥に車で警官が現れるが、バット持った若者たちがにじり寄る。一人が舞台正面にいたBeckmesserを見つけ、バットを売り上げると同時に「ジャン!」で暗転。これ、演出に合わせてるから溜めめなのね。

3幕は同じSachsの店だが、Sの電飾がとれている。車の中でWaltherが寝ていた。彼の夢を元に二人で作詞作曲。Beckmesserが車椅子できて、障害者になったことを憂いたのか、自分の体にガソリンをかけて火を探すと、歌の紙をみつけて盗む。Waltherの歌は既に不安しかない。

3幕後半。背後の家がはけ、リングが前に出てくる。親方たちの行進曲!ハサミ!パン屋!金のボンボンもった膝丈少年ダンサーズ。今日はソリストが声量なかったので、オケは抑えめだったらしいが、ここに来て一気に音量あげてテンションあがる!ショットグラスが細い板にのって出されて、Davidがめちゃ飲み。

金ラメスーツのBeckmesser、リングにあがろうとすると階段が壊れる。リングにあがってからも照明が動いてしまうので、原稿がみえない〜。歌は失敗して、自分でウクレレを叩き壊す。

Sachsがもっとうまく歌える人がいるので歌わせていいかと聴衆に問う。Waltherの歌、Beckmesserのすっとんきょうな歌よりひどい。。。でもオケが無理矢理もりあげて、歌合戦の勝者となり、下手の金属の台の上をよじ登ってEvaの元へ。

最初、優勝杯はもらえてもマイスターではなかったので、Sachsがまた演説して、マイスターになれてEvaと結婚。下手の端でDavidが優勝杯の中に吐いていた。リングの上ではBeckmesserが喉元に銃口をあてていて、緞帳が下りる直前に自殺!こんなの気づかなかった〜

この演出に合わせるためか、最後も溜めめのPetrenko。ああ、今日も聴けてよかった。

Wolfgang Kochは悪人顔なので、Sachsには合わない。Wotanの方がまし。ロンドンのマイスタージンガーではBryn Terfelで聞いちゃったからなあ。圧倒的な包容力だった。John Lundgrenに歌ってほしいなり〜。

この石田あゆみEva、Sara Jakubiakは、「ヘリアーネ」では感情表現が非常によかったのだが、今日は良さがわからず。

で、Walther von Stolzing。黒いTシャツに黒ジーンズ、ギター抱えてやってくる風貌は、イケメンじゃないと似合わない。。。太っているわけでも背が高いわけでもない、髪は薄めで若いのかもわからない、全くオーラのない人だった。ま、キャンセルした人が悪いので、ブーは出せない。むしろ出てくれてありがとう。Kaufmannが出ると言うせいで、チケット料金あがるし、他のいい歌手は押さえられないし、もうほんとやめてほしい。今日みたいなのと比較して、やっぱりKaufmannはうまいと思わせる作戦か?

今日の演出はよくないけど、バイロイトと比べると断然まし。あれはなんだったんだろう。ものすごく深いな思いだけは残っているが、詳細はあまり覚えていない。記憶から消去したのかな。

STAFF & CAST


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