マイベスト映画(途中経過)

最近、劇場・DVD・テレビ・機内でみた邦画から。→洋画

  1. 「博士の愛した数式」2005 小泉堯史 原作:小川洋子 ★★★
    80分しか記憶がもたない数学博士(寺尾聰)のことを、深津絵里と子役の男の子がほんとに素直に好きでいてくれてうれしい。男の子の成長後として解説役を担う吉岡秀隆の語り口もまたいいんだ。それでさいごがさー、「いっぱい愛+ひとりの人=0」なんだもん、もう泣くしかないです。深津親子が結構残酷だったりするところもリアルでよかった。終盤の「伝統芸能みつつ(観客が)思い返すシーン」、この監督の定番か。『阿弥陀堂だより』2002もいい。『明日への遺言』2008

  2. 「美しい夏キリシマ」2002 黒木和雄 ★★★
    すごいものを見てしまった・・・。4月に死去した監督の戦争レクイエム三部作の第二弾。『父と暮らせば』2004より数段よかった。「淡々と」という言葉はこういうもののためにある。戦争の背後に確実にあった、貧しい村の人々の生活を描く。主人公の少年役 柄本佑(柄本明の息子)もいい。最後、霧島という神聖な地に米軍がやってきたところで、この物語のテーマが「神聖さの喪失」であることに気づく。そういえば主人公はキリストの受難の絵を偏愛していた。『TOMORROW 明日』1988もいい。遺作『紙屋悦子の青春』2006は原田知世がいまいち。

  3. 「誰も知らない」2004 是枝裕和 ★★★
    長男の男の子を、誰かを、抱きしめてあげたくなる映画だった。兄弟たちの面倒をよくみていて、お年玉まで作ってあげたりするけど、やっぱり子供だから、時に自分の楽しみを優先させてしまったり。年上の女の子に会うのにシャツの匂いを気にしたり。実にリアルに表現されている。子役達の演技も素晴らしい。特に柳楽優弥。妹が死んでしまって、窓辺で呆然とする姿の、美しさ。 抱きしめたくなる感じは『ワンダフルライフ』1999にもある。 期待作『歩いても 歩いても』2008はいまいちだった。

  4. 「シコふんじゃった。」1992 周防正行 ★★★
    パーフェクト。『Shall we ダンス?』1996 と内容も構成も同じだが。 人が本来持っている生きる力が呼び覚まされて世界とつながる物語。もう土下座で泣いてしまった。 これに比べると三谷なんかはぎこちないし、広がり感も少ないなあ。主演:本木雅弘。

  5. 「ドッペルゲンガー」2003 黒沢清 ★★★
    うーん、芸術的。物語もすごいし、撮り方もすごいし、細部もシュールだし、役所はあたりまえ。この頃の永作はまだ魅力がでてないが。テーマはなんだろ、追いつめられた人間が、本当でない自分と入れ替わった時、正しい答を間単に選択できる。うーん、深い。『アカルイミライ』2003もよかったが、さらにその上をいく。『トウキョウソナタ』2008もいい。

  6. 「がんばっていきまっしょい」1998 磯村一路 原作:敷村良子 ★★★
    田中麗奈デビュー作。彼女もいいし、少女たちの情熱、成長は、海の輝きよりも美しい。記録するみたいな、この静かな撮り方が好きだ。泣いてしまった。不治の病とか死とか、最近そればっかであきあき。泣ける映画って、こっちだろ。

  7. 「(ハル)」1996 森田芳光 ★★★
    画面いっぱいの文字を延々読まされるので、時間と体力に余裕のある時に見るべし。深津絵里&内野聖陽の抑えた芝居もいい。ドキドキしたし、夢を見た。特に新幹線のシーン。 こういう奇跡的な出会いがあってほしいと私も願うし、そしてそれはこういう積み重ねで育まれるものだと私も思う。メールでの会話では、ときに真実は秘せられ、秘せられていることに気づきながらも、踏み込まず、注意深く、少しずつ、少しずつ、距離を縮めていく・・・

  8. 「EUREKA(ユリイカ)」2000 青山真治 ★★★
    モノクロ3時間半、バスジャック事件の被害者、役所広司、15歳の宮崎あおい、別のバス、海と、阿蘇山。集中して一気に見てしまったが、、、どっと疲れた。芸術的であるが観客に優しくない。

  9. 「約三十の嘘」2004 大谷健太郎 原作:土田英生 ★★★
    よかったな〜。大谷さんのはハズレがない! MONOの弱者の論理全開のダメ男女たちが、横から見つめる存在によって、気高く美しいものになっていて、こうなると泣けて仕方がない。中谷美紀がこんなにかわいらしいのも珍しい。『とらばいゆ』2001の瀬戸朝香もかわいらしかった。インタビュー「映画の土台になるのは葛藤やいとおしい気持ちなど、結局は人間のおもしろさです」

  10. 「ハッピーフライト」2008 矢口史靖 久々に文句なく★★★
    アルタミラピクチャーズの特徴は、人間に対する敬意だと思う。仕事をする人、ただの面倒な乗客、夢みる学生や小学生に対しても。だからコメディとして扱っていても、笑いで終らず、泣けてしまう。この映画は飛行機に関わるあらゆる人々を扱った。演出の妙で端的で、役者陣もよく、爽快。

  11. 「ザ・マジックアワー」2008 三谷幸喜 ★★★
    4作目にして三谷映画のいやらしさを、鈴木京香唐沢香取にあったなんか鼻につく感じを、佐藤浩市が役者の真面目さでふきとばしてくれた気がする。設定の良さもあるけど。三度目のリフレインなんて笑うしかないもの。妻夫木は鼻についた。あとはエンディングでほろりと泣かせてほしいのだが。深津はがんばったけど、YOUだったら…。

  12. 「デスノート the last name」2006 金子修介 原作漫画:大場つぐみ、小畑健 ★★★
    ・・・ものすごかった。藤原竜也全開。 物語の落とし所もよかったと思う。ギリシャ悲劇の主人公をみているようであった。 戸田恵梨香ちゃんがかわいい。前編もよかった。監督が代わったスピンオフ『L change the world』2008は最悪。

  13. 「パッチギ」2005 井筒和幸 共同脚本:羽原大介 ★★★
    暴力映画は嫌いなんだけど。日本人のぼーっとしてるけど芯の強そうな男の子(塩谷瞬)が、朝鮮人のめっちゃかわしいい女の子(沢尻エリカ)に恋をして、女の子の言葉を必死に勉強して、川をざぶざぶ渡って会いにいったのに「あんた朝鮮人になってくれるの?」といわれて絶句したり、日本人にボコられた後トラック事故で死んだ友人の葬式で、朝鮮人たちに恨み言いわれまくって追い出されて、女の子とつないでくれた大切なギターをぶち壊して川に捨てて、でもラジオ局で泣きながら「リムジン河」を熱唱する。その横で双方の学生たちは殴る飛び蹴るの喧嘩しまくり。その女の子の兄であり朝鮮側のリーダー(高岡蒼佑)は、帰国船に乗ると豪語してたのに、日本人の彼女とあっさりでき婚。男の子も実家の寺を継ぐんだろうなあ。実によくできていた!

  14. 「blue」2003 安藤尋 原作漫画:魚喃キリコ ★★★に近い★★☆
    ひとつ年上のクールな美少女を演じた小西真奈美もいいんだけど、彼女に憧れる女子高生の成長をリアルに演じきった市川実日子が素晴らしい(モスクワ映画祭最優秀女優賞)。 失恋して、絵を描き始めたときの髪をあげた横顔が美しくてはっとした。なるほど成長する少女とはこういうものだ。

  15. 「AIKI」2002 天願大介 おまけで★★★
    実在する下半身麻痺の合気柔術家をもとに。脚本が良い。加藤晴彦演じる若者のダメっぷりを前半みっちり描いてくれて、火野正平、桑名正博、石橋凌、三人三様の父親に出会って励まされ、恋をして、漫画みたいにヒーローになって、そして最後の終わり方が爽やかで、夢があって、私は大好きだ。元はボクサーで車椅子の合気柔術、加藤晴彦はほんとよくやったと思う。父たちにしても、ずばぬけた演技があるわけではないのだが、映画ならではだと思う。車椅子のリアリティも合格点。ともさかりえが脱がないのが謎。

  16. 「手紙」2006 生野慈朗 原作:東野圭吾 オマケで★★★
    聞き飽きた「号泣のストーリー」という売り文句だが、話、というか、本、はふつーだった。撮り方もテレビドラマっぽかった。 しかし、山田孝之&玉山鉄二のヨワ男コンビは良い、実に良い。欲を言えば、沢尻エリカが最初からかわいすぎるのが興ざめ。 やっぱ孝之ちゃんは芝居うまいわー。暗いけど。タマテツもだいぶうまくなってきた。私はガオシルバー(2001年)の時から目をつけてるんだよね。坊主でも色男〜♪

  17. 「NANA」2005 大谷健太郎 原作漫画:矢沢あい ★★☆
    おもしろかったー。宮崎あおいはちとうざいが、でもうまいし、中島美嘉が非常によかった。少女漫画原作なので、もだえるシチュエーション満載。松田龍平の良さが初めてわかった。でもやっぱり、たくみー(玉山鉄二)!美しかー!「おかえり」しか喋らなかったけどー!ノブの成宮寛貴がうまい。鉄道に駆け込むシーンとか。続編は主役が代わって残念。

  18. 「ゼブラーマン」2004 三池崇史 脚本:宮藤官九郎 ★★☆
    くやしいけどすごくよくて泣いてしまった。哀川翔ってサングラスの下の目がきらきらしてるんだ。「パパがんばって」は予想通りだけど、長すぎの間にやられた。渡部篤郎もよかった。

  19. 「下妻物語」2004 中島哲也 原作:嶽本野ばら ★★☆
    泣いちゃった・・・何度も胸がきゅーんとした。「人間は大きな幸せを前にすると急に臆病になる。幸せを勝ち取ることは、不幸に耐えることより勇気がいるの」こういうシンプルなことでいいんだ。生きていくエネルギーがわいてくるじゃないか。深田恭子はともかく、土屋アンナがいい。

  20. 「かもめ食堂」2006 荻上直子 ★★☆
    なんていうんだろ、台風のみえる部屋構成?、主人公は何もしないけれど、訪問者たちが次々とドラマを持ち込んで、全体として筋が通っている。主人公のキビキビした動きがいい。『めがね』2007

  21. 「アフタースクール」2008 内田けんじ ★★☆
    物語、構成、役者よく、面白かった。佐々木蔵之介はこういうインチキがはまる。あと大泉洋、堺雅人。『運命じゃない人』2005の方がいいかも。

  22. 「ゴールデンスランバー」2010 中村義洋、原作:伊坂幸太郎 ★★★
    よかったなあ。首相暗殺犯に仕立てられて逃亡するというサスペンスを軸に、学生時代の仲間、仕事仲間、家族、ゆきずりの人たちまで、堺雅人の表情に「この人、犯人じゃない」と直感する人々の心の物語。日本人すげえ。涙をこらえていたのだが、エンディングの斉藤和義(音楽監督)にやられてボロボロ。主人公が歩き出した道もまた、いつか懐かしくなればいい。 いやー、イカ天世代の私は、その後番組でデビューした斉藤和義には、ずっと二番煎じ感を抱いていたのだが、CDかおっと。『フィッシュストーリー』2007

  23. 「午後の遺言状」1995 新藤兼人 ★★☆
    老いた女優(杉村春子)が、避暑にきた山荘で、大工の死、家政婦(乙羽信子1994死去)と夫の浮気、はては旧友(朝霧鏡子)の死に直面し、東京に仕事に帰るのを、淡々と描く。足入れ式の様子、海から棺桶が運ばれてくるシーンなど、時々どきっとするシーンがある。うーん・・・映画だなあ。

  24. 「フラガール」2006 李相日 共同脚本:羽原大介 ★★☆
    芝居に心のない松雪泰子をとっとと諦めて、蒼井優を撮りまくったのが勝因か。受賞しまくるほどの名作とは思えんが。映画館でみたら泣けたかな。いや、やっぱり松雪がいまいち。

  25. 「おくりびと」2008 滝田洋二郎 ★★☆
    よかったが。寝不足に負けて三度ほど繰り返して全部みた。 人を送るという儀式の美しさ、本木雅弘もちゃんと表現していた。 元チョロ奏者の納棺師といううまい設定。久石譲の音楽もいい。

  26. 「カメレオン」2008 阪本順治 脚本:丸山昇一 おまけで★★★
    脚本も主演 藤原竜也もよかった!『顔』2000

  27. 「デトロイト・メタル・シティ」2008 李闘士男 ★★☆
    笑った〜。音楽がいい、と思ったらK.A.Z作曲。ていうか、敵役がジーン・シモンズ!? すげー。またヒロインをくわれてしまった松雪泰子に合掌しつつ。松山ケンイチ、細田よしひこ

  28. 「GO!」2001 行定勲 脚本:宮藤官九郎 原作:金城一紀 ★★☆
    よかった頃の窪塚洋介。思ったより普通だ…。

  29. 「リンダ リンダ リンダ」2005 山下敦弘 ★★☆
    久々の佳作!長回しが好きなのはいいが、テンポ悪くて、入り込みにくかったが。女子高生たちが文化祭でブルーハーツのコピーバンドをやる話。努力とか友情とか恋愛とかあっても、淡々としていて、たいして事件もないが、最後の演奏に至るとものすごく感動して涙だらだら。彼女たちの表情、眼配せが実によく撮れていて、説明不足なのに人間関係はよくわかった。少女たちの情熱はたしかにあった。

  30. 「おっぱいバレー」2009 羽住英一郎 原作:水野宗徳 ★★☆
    たしかによくできてる。綾瀬がいいのと、ダメ少年なのに木村遼希くんがちょっとかわいい。

まだ全然見てないが、洋画もやってみよう…
  1. 「Gone With the Wind 風と共に去りぬ」1939 Victor Fleming ★★★
    Vivien Leighの美しさは鉄壁。どんなに愛されてもサル顔よりは優男のダメ男という構図が秀逸。

  2. 「Contact コンタクト」1997 Robert Zemeckis ★★★
    Jody Fosterも美しい。日本の描写とかイタイところもあるが、科学と宗教をつなげたのがいい。

  3. 「Amour」2012 Michael Haneke ★★★
    知性と洞察、緻密な脚本、完璧な演技、それによる緊張感と衝撃、映画の出来としては一位。

  4. 「Billy Elliot リトル・ダンサー」2000 Stephen Daldry ★★★
    もうめちゃくちゃよくて後半は号泣。努力する無垢な少年の美しさ!Jamie Bellもかわゆすぎ〜天使す!

  5. 「Venus」2006 Roger Michell ★★★
    イギリス人すげえ。こういう映画が作れるのはイギリス人だけだと思う。老人と少女という設定は日本人でもできるが、人と人との距離感が日本人にはありえない。日本やアメリカでの評価が低いのも納得。見ているのに関らない。すべての言葉は直接的でなく、冗談に覆われ、知的で、繊細で、されど鋭い。Peter O'Tooleに主演男優賞あげたい。

  6. 「Somewhere」2010 Sofia Coppola ★★★
    ハリウッドの自堕落な有名俳優(Stephen Dorff)のところに、別れた11歳の娘がやってくる・・・ 娘を演じたElle Fanning がもー、天使す。めちゃめちゃかわいい。デビュー時のエマ・ワトソンを超えた。この監督、ちょっと顔の歪んだ女の子をかわいく撮るのがほんとうまいよなあ。それから、「自堕落」の描写もたっぷり丁寧でお見事。 初はあまり関心なかったのに、少しずつ確実に仲良くなっていて、そして最後が美しい。

  7. 「Lost In Translation」2004 Sofia Coppola ★★★

  8. 「Albert Nobbs」2011 Rodrigo Garcia 原作:George Moore ★★★
    秀逸。物語もいいし、Glenn ClosetoとJanet McTeerの演技も完璧。ホテルのレストランでウェイターとして働くアルバート氏の誠実さに泣いた。この監督にも注目したい。

  9. 「The White Ribbon」2009 Michael Haneke ★★★
    ものすごかった・・・是枝裕和「誰も知らない」を思い出せるが、ベクトルは真逆。 舞台は第一次世界大戦直前のドイツ北部の寒村、普通のドイツ人の日常の中で、暴力が生まれる過程を淡々と描く。ドイツだけでなく、日本にも共通するものがある。おそろしい。。。 描き方は「淡々と」なんだが、台詞をきいてると相当「ネチネチ」してる。字幕を読むのに必死になって、映像をあまり見られなかったからか、解けなかった謎が多数。もう一度みたい。

  10. 「Elisabeth」1998 Shekhar Kapur ★★★
    Cate Blanchettがいい、演説を練習する真面目さから、潔さまで、完璧に表現している。脚本、映像もよい。個人的には、しばかれるDaniel Craigでなく、アンジュー公Vincent Casselにもえ〜。

  11. 「The Reader 愛を読むひと」2008 Stephen Daldry ★★★
    号泣してしまった。裸体しかなかった Kate Winslet がついに。Ralph Fiennesもよかったけど、David Krossくんががんばった。勝因は、これでもかってくらいえぐる構成。

  12. 「Der Pianist」2003 Roman Polanski ★★★

  13. 「The Hours めぐりあう時間たち」2002 Stephen Daldry ★★★
    複雑に配置された短いシーンの連続だけで、三人それぞれ一日だけでなく、人生をも描き出すのはさすが。三女優はじめみな完璧な演技。めっちゃ細かく演出つけてるんだろうなあ…。邦題のめぐりあうっていうのは余計かな。出演:Nicole Kidman, Julianne Moore, Meryl Streep

  14. 「One Flew Over the Cuckoo's Nest カッコーの巣の上で」1975 Milos Forman ★★★
    さすが名作、さすがJack Nicholson。みな狂人なりに自由に憧れる姿が名演で泣ける。野球のシーンも釣りのシーンもよかった。チーフが喋れたことと、ビリーとマックが死ぬこと、驚きの構成もよかった。でもあそこで看護婦長ラチェッドを本気で殺しにかかるのは、やっぱり狂っていたんだろうなあ。西洋的にはラチェッドは明白に悪らしいが、私的にはそうばかりとも思えん…

  15. 「Roman Holiday ローマの休日」1953 William Wyler ★★★

  16. 「Schindler's List」1994 Steven Spielberg ★★★

  17. 「English Patient」1996 Anthony Minghella ★★★
    物語もいいし、逆順の脚本も秀逸、砂漠の映像も美しい。ラブはもうひとつか。進行役のJuliette Binocheの方が魅力的だった。

  18. 「Essential Killing」2010 Jerzy Skolimowski ★★★
    ポーランドの監督がアメリカの俳優兼アーティスト?Vincent Galloを主演に録ったアラブ映画。ハリウッドのアクション映画なんかより断然迫力があり緊張しまくりで唖然。 タリバン兵?がアフガニスタン?で米軍に捕まり、ロシアのどっかに送られるが、脱走して、東欧のどっかに辿り着く・・・ こんな風景を見せられたら、テロとの戦いを支持なんて言えないよなあ。 なんて思っていたのは序の口で。 そのタリバン兵のルックスがどことなく「キリスト」に似ていたり、そのことに気づくと、途中のさまざななシーンがすべて意味のあるものに思えてきて、そういえばタイトルも・・・ 深い。ベネチア受賞作。

  19. 「The Ghost Writer」2010 Roman Polanski 原作:Robert Harris ★★★
    ラストカットがあまりにすごくて、もう一回最初から見直した。最初から伏線はられまくりなのね。ヨーロッパではタイトルが「The Ghost」なのに、アメリカでは「Writer」と明記されたのは、映画の主題が英大統領がCIAのゴーストだからなのであろう。

  20. 「Broken Embraces 抱擁のかけら」2009 Pedro Almodovar ★★★
    しらなかったのだが、鬼才で有名な監督らしい。赤いポスターが印象的で見たいと思ってた。まずペネロペ・クルスが美しい。物語もいいし、構成もいいし、ずっと緊張感があった。映画監督のおっさんが全然かっこよくないのが謎ではあるが。

  21. 「American Beauty」1999 Sam Mendes ★★★
    女の子に手を出せないおっさん(Kevin Spacey)とか、夫の死に泣き崩れる妻とか、アメリカの壊れている家庭にも最後に残る良心が「Beauty」なのだと思った。それを殺した男はナチ好きのゲイ・・・ってところもまたアメリカか。

  22. 「The Last Train 終着駅 トルストイ最後の旅」2009 Michael Hoffman ★★★
    レフ・トルストイ(Christopher Plummer)の晩年、夫人(Helen Mirren)と不和になり、家を出て途中の駅で死んだ実話をもとに。不和とはいえ、夫人は確かに理解者だったり、心のすれ違いが丁寧に描かれる。二人の演技もさすが。

  23. 「The Curious Case of Benjamin Button」2008 David Fincher ★★★
    映像が話題だが、物語がよかった。切なすぎて号泣。Brad Pitt と Cate Blanchett の演技もいい。

  24. 「The King's Speech」2010 Tom Hooper ★★☆
    劇場で見た時は、わからないジョークが多かったので、見直した。やっぱよくて泣いた。王様の努力とドクターとの距離感がいい。セット・家具もよかったー。出演:Colin Firth, Geoffrey Rush, Helena Bonham Carter

  25. 「Million Dollar Baby」2004 Clinton Eastwood ★★★
    女ボクサー(Hilary Swank)が非常にいい。コーチ(Clinton Eastwood)と二人の関係が最高点に達したところでの急展開もよかった。

  26. 「The Apart アパートの鍵貸します」1960 Billy Wilder ★★★
    物語が秀逸なコメディ。Shirley MacLaineは低い声の今の方が魅力的。

  27. 「Sophie's Choice ソフィーの選択」1982 Alan J. Pakula ★★★
    前半のラブコメから一転、後半のシリアスな展開と結末にあんぐり。Meryl Streepすげえ。

  28. 「Amadeus」1984 Milos Forman, play:Peter Shaffer ★★★
    非常によかった。物語がよく、「宮廷からの逃走」「ドン・ジョバンニ」の劇中オペラもいい出来、アリアなんて超絶の出来であんぐりしてたら、Gruberovaが歌っているとか?モーツァルト役Tom Hulceもいいキャラで演じてた。物語はサリエリ(F. Murray Abraham)の視点で描かれる。

  29. 「Vicky Cristina Barcelona それでも恋するバルセロナ」2008 Woody Allen ★★★
    面白くて一気に見た。スペインに留学にきたアメリカ女二人、好奇心旺盛(Scarlett Johansson)なのと慎重派(Rebecca Hall)のコントラストがいい。前者はスペイン男(Javier Bardem)につかまって、元嫁(Penelope Cruz)と三人で同棲するも、違和感を感じて終了(そりゃそうだ)。他にも人間関係が細かにリアルに描かれていて非常によい。ScarlettのエロさとPenelopeのキレてる感じも秀逸。

  30. 「Closer」2004 Mike Nichols 原作戯曲Patrick Marber ★★★
    脚本の勝利。芝居は助演の皮膚科医(Clive Owen)とアリス(Natalie Portman)の方がよかった。ずっと緊張感があって、それを言ってはだめでしょうという言葉が見事に出て壊れる。女々しい小説家、流される写真家、悪い意味で男らしい皮膚科医、芯の通った不思議ちゃんアリス、人物設定もお見事。

  31. 「ゴッドファーザー」1972 Francis Ford Coppola, novel:Mario Puzo ★★★
    超印象的な殺害シーンの連続、予想外で過激だがグロくはない。マフィアのボスの世襲という物語はこの際どうでもいい。Marlon Brando & Al Pacino、役者はみーんなうまくて評判通り。
    「ゴッドファーザー PART II」1974 Francis Ford Coppola, novel:Mario Puzo ★★☆
    前作よりも物語に比重が置かれて、主人公の悲劇が自業自得であることをもう一つの物語が説明する構造なのだが。二つの時間軸が錯綜するのがわかりにくいし、今となっては斬新でもない。冒頭がパーティシーンで始まるところや、ラストが同時多発殺人+宗教であるところは前作を踏襲。Al Pacino & Robert De Niro
    「ゴッドファーザー PART III」1990 Francis Ford Coppola, novel:Mario Puzo ★☆☆
    評判ほど悪くなかったけど。敗因はひとえにSofia Coppolaの演技。最後に死んでくれてせいせいするという。

  32. 「District 9 第9地区」2009 Neill Blomkamp ★★★
    ハリウッドとは真逆の感覚で、最後にはエイリアンに自然と共感しているという、良くできた物語。上空に浮かぶ島とか人が乗り込むロボットとか、日本アニメへのオマージュが感じられる。「アバター」ほどのパクリ感もない。台詞はアドリブだったという主演のSharlto Copleyも秀逸。三年後が気になる。

  33. 「The Artist」2011 Michel Hazanavicius ★★★
    評判通りのスタイリッシュないい出来。無声映画のスター俳優(Jean Dujardin)が、女優志望の女性(Berenice Bejo)と出会う。無声映画の時代が終わると、スター俳優は落ちぶれ、逆にその女優がスターとなる。二人が再開し、女が男をミュージカルに出演させて、一緒に踊る。

  34. 「Stoned」2005 Stephen Woolley ★★☆
    主演のレオ・グレゴリーくんが、めちゃめちゃキュートで繊細で、ステキ。

  35. 「Burn After Reading」2008 Joel & Ethan Coen ★★☆
    テンポよくて見入ってしまったけれど、すごいシュールで、笑えない。誰も幸福になってないし。ブラピだけが救い。おバカなブラピ、かわいいよぉ。 John Malkovichが解雇され、妻Tilda SwintonにGeorge Clooneyと浮気され、Frances McDormandに脅迫され、、、すごい快演ぞろい。

  36. 「Kramer vs. Kramer」1979 Robert Benton ★★☆
    非常に切なくよかった。仕事に追われて家庭を顧みない男(Dustin Hoffman)が、妻(Meryl Streep)に逃げられ、幼い息子と二人の生活がようやく軌道にのったところで、妻が息子を取り戻しに来て裁判になる。アメリカ男の家事はおそろしい…

  37. 「The Kite Runner」2007 Marc Forster 原作:Khaled Hosseini ★★☆
    アフガニスタンの裕福なパシュトゥーン人の息子アミールと、ハザラ人の召使いの子ハッサンの友情を軸に、1979年のソビエト侵攻とその後のタリバンの支配まで描く大河ドラマ。アミールはアメリカに亡命して小説家として成功するが、原作者自身はタジク人とwikiには書いてある。 中国新疆ウイグル自治区のカシュガルでロケしたというペルシャ?の乾いた古い町並みと、ヒンドゥークシュ山脈の雪景色が、強烈に美しい。イギリスとソ連とアメリカに破壊される前は美しい場所だったのだろうなあ。 アメリカ映画だから仕方がないが、利己的な正義感によるハッピーエンドでなく、残酷な悲劇であったら、美しさはもっと際だったかもしれぬ。

  38. 「Salmon Fishing in the Yemen」2011 Lasse Hallstroem ★★☆
    また掘り出し物。イエメンに鮭を放流して釣りをやるを作るというトンデモ設定と、堅物なサイエンティスト(Ewan McGregor)がアフガン戦争のヒーローから婚約者(Emily Blunt)を略奪愛するのがうまくリンクしてる。イエメンの富豪役のAmr Wakedが好演。

  39. 「The Descendants ファミリー・ツリー」2011 Alexander Payne ★★☆
    脳死となった妻の浮気が発覚してから葬儀に至るまでの夫(George Clooney)の心の動きを、二人の娘、長女の彼氏、間男とその妻、祖父母、友人たちとの交流を通じて、丁寧に描く。ゆっくりなので途中で寝てしまったが、見通したらかなりよかった。長女役の若手女優Shailene Woodleyもちょっと光ってた。

  40. 「Agora アレクサンドリア」2009 Alejandro Amenabar ★★☆
    4cローマ帝国、科学を志し若者の尊敬も集めていた女性天文学者(Rachel Weisz)が、キリスト教徒から差別と陵辱を受けて死ぬ。


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