すごい競争率で開演のベルがなってもまだ二十人くらいがチケットを求めていた。さすがに今日はだめかと思った。が、またチケットが私に迎えって歩いてきた。おじさんが、見たいのか、自分と一緒にこないとだめだよ、とドイツ語で声をかけてきて、片言のドイツ語で50EUR札を渡しついていく。他の人々がなんでこの子なのよと集まってくる。
Parkett8列目のすごいいい席だった!買えば300超えのやつだ・・・
幕が歩くと黒い舞台。車椅子に乗った爺がなんか歌う。悪魔がきて契約する。
2幕、舞台が回転すると壁の向こうに群衆がいる。軍人ヴァランタンが出征した後の妹のことを別の女ジーベルに託す。悪魔が割り込んできて「金の子牛の歌」。でも人々に十字架を突きつけられて追い返される。この場面ではマルグリットは目立たないが、ファイストが一目惚れをする。
3幕、回転すると、白い小さな家があり、悪魔が屋根にのぼる。ジーベルが草花を家において去る。ファイストは巨大な黒い宝石箱を置く。マルグリットがあけると、白のもふもふドレスが入っていて、彼女はそれを着る。悪魔は同居人のマルトを誘い出し、ファウストとマルグリットは壁の向こうへ・・・壁は二枚でV字部分に巨大なベットがあった。ファウストは服をぬいで横たわるが、マルグリットは逃げてしまう。家に戻るとベットでマルトが息絶えているのを見つけて悲鳴をあげる。
休憩のち4幕、悪魔が歌う背景の黒い壁に、映像の墨汁が流れて、妊婦の姿を描き出す。こういう映像演出は最初からちょいちょいあった。悪魔は髪留めのゴムを取り、ロン毛をはためかせる。
回転すると下手に白い教会があり、傍らでマルグリットが乳飲み子の水浴びをしている。悪魔が歌うと彼女は子供を見ずに沈め、我に返って悲鳴をあげる。
回転すると傷ついた兵士たちが戻って来る。足をひきずり、担架に乗せられたものもいる。妹のことを聞いたヴァランタンがファウストを見つけ決闘になる。勝ちそうだったのに、悪魔に体をしばられ、悪魔がファウストに渡した小刀で刺された。担架に乗せられて下手面に横たわるヴァランタン、やってきたマルグリットに呪いの言葉を吐いて絶命。彼女は群衆に吊るし上げられ、服をぬかされ髪を切らて横たわる。
5幕、回転するとV字部分が映像のバラの花で飾られ、さまざまな衣装で着飾った女たちがずらっと並んでいる。ブロッケン山、悪魔は下手前のテーブルにつき、彼にかいがいしく使える女もいる。ファウストは中央で歴代の美女たちに囲まれるが、マルグリットが忘れられない。
回転すると上手の檻にマルグリットいる。ファウストが声をかけると出てきそうになったが、赤子のことを思い出し、自ら檻の中に戻る。ここで超絶な歌を歌いまくり、そのまま昇天。ファイストはなすすべもなく嘆くだけ・・・
最後の高笑いで悪魔がもってくのではなく、今日のタイトルは「ファウストとマルグリット」。絶叫系なのに高音が多く超絶技巧を要するこのロールを歌える人はあまりいない、NetrebkoもOropesaもロンドンではキャンセルをした。Irina LunguとOlga Peretyatkoは美しく歌ってお亡くなりなったけれども、ものすごい意志を見せて自ら死を選んだのは初めてかもしれぬ。
二人ともまだ無名だが有望株として私はかなり前から注目していた。
高音が美しくのびるテノールJonathan Tetelman、23年にLoy演出の「Francesca da Rimini」で見つけて、つい先日もベルリンで好演していた。
ソプラノOlga Kulchynskaも、15年にチューリッヒのLoy演出でみつけて、ロンドンでもみて、さらに良くなっている。
二人ともまだ若干、粗いところもあるが、ロンドンのMcVicarの名演出でぜひ見たい。あれ演出は素晴らしいのに、まだベストキャストで見たことない。
一回目はすごい緊張感で、終演後、プレミエ・パーティに出られてよかった。二回目は三階だったので、音はよかったけど、ちょいちょい走りすぎてるのが気になった。指揮、違う人かと思うくらい、Nathalie Stutzmann。