2025.5.11: Rimsky-Korsakov "The Tale of Tsar Saltan" サルタン皇帝

初Teatro Real!現代的だが機能的でいい劇場、休憩で上階まであがるとレストランがあった、今度入りたい。

金の壁、現代服の若い母ミリトリサと息子が出てきて、母は椅子を並べ、息子は兵隊とリスのおもちゃを並べている。父親がいないことを息子に伝える時がきたが、自閉症なのでおとぎ話にしないと伝わらないと。マトリョーシカみたいな衣装の役者たちがでてくる。

娘二人が毛糸玉をもって皇妃になったら何がしたいか話している。妹ミリトリサが勇敢な戦士を生みたいと。衝立の向こうから母と王が出てきて彼女を妻にする。

1幕、行進曲が流れ、戦争が起こって王はでかけてしまった。人々がミリトリサを一瞬隠して移動すると赤子を抱いている。夫に手紙を書くが返事がない。母と姉二人が生まれたのは男も女でもカエルでもない生き物だと書いた手紙にすり替える。

人々が板をみってきて女と赤子を樽で囲んだ!

2幕、序奏とともに線画の漫画の映像で樽は海に投げられどこかの島にたどり着いた。

成長した息子グヴィドンが食べ物を探しに行くと。木の枝などで弓をつくる。鷲に襲われている白鳥がいたので鷲を射止める。ローエングリンか!?助けた白鳥は白ドレスの若い女で、線画の背景が色付けされる。お礼に魔法を使うと。ツルの恩返しか!

漫画で町が描かれ、グヴィドンが統治者になる。

休憩のち3幕。グヴィドンが白鳥に父にこっそり会いたいと言うと、蜂になった。

皇帝は母姉ら数名と中央のテーブルで晩餐会をしている。線画と役者との組み合わせがいい。島にすごい町ができたと、リスが金色のハーゼルナッツを食べていると。皇帝は行ってみたいと言い、母姉が止めようとすると、蜂が眉毛を刺す。太陽もくらむ王女がいるとか。

4幕、序奏とともに島に帰る。グヴィドンが噂の王女に会いたいというと、白鳥がそれは自分だと。母ミリトリサもきて、二人は結婚することに。

いよいよ皇帝が島にやってきた。皇帝の青スーツはじめ、みな現代服で!ミリトリサが、彼はおとぎの国にいることを忘れるなと言う。

皇帝がおもちゃで遊ぶグヴィドンに話しかける。グヴィドンはちょっと不快そう。壁に大きくリスと兵隊を描くと、皇帝の仲間たちが囃し立てる。

皇帝が妻に会いたいと言うと、ミリトリサがきて、二人でわざとらしく歌う。ミリトリサはパニックを起こして、ピンクのナースぽい衣装の白鳥ちゃんがなだめる。

皇帝が妻に母姉を追放しようと言うが、二人の幸せには関係ないと許す。みなで騒ぐとグヴィドンが痙攣を起こしてしまい、ミリトリサが狂乱したところで、幕!

なにこれ悲劇!?

Zarenbraut」のDmitri Tcherniakov、演劇的だが読み替えがすぎることも。おとぎ話にするとセットが大変だから、夢オチ解釈にして経費削減・・・?映像も使って安上がりだったが。

歌手の歌と演技が素晴らしく救われた。特に息子Bogdan Volkovは自閉症演技が完璧で、母Svetlana Aksenovaは立ち姿が美しい。どちらもLoy演出に出てるので演技派。後者は伝説の「Khovanshchina」のヒロインだった。この物語、Loy演出でみたいなあ。

プーシキン原作はじめロシア・オペラには物語が重厚で面白いものがいろいろある。今日はトレドでの研究会前にマドリードで寄り道して本当によかった。

STAFF & CAST


目次に戻る