2004.10.30-31: レーゲンスブルク!大聖堂!

10月30日(土)

午前8時起床。小雨がふっている。うちまでは電車の便が悪いので、私が町に出て9時にMuenchener Freiheitでぜっとんを拾う。

すぐ高速にのり120km走ってRegensburgへ。9号をまっすぐ北上、途中から93号に入る。パーキングでカプチーノを飲みながら、本日の目的地を決める。よし、川下りをしよう!

Regensburgで降りて南西のKelheimという隣町へ行く。もっと手前で高速を降りた方が早かった気もするが。でもおかげで通ったのは山道で、露に塗れた赤や黄色の紅葉がすごくきれいだった。

Kelheimは今日は市場があるらしくとても混んでいた。11時半、船着き場近くにようやく駐車場所を確保したが、乗り場はそこから1km離れた反対側。次の舟が11時45分で、その次は12時半なので、走る!

なんとか間に合ってすぐ船にのる(6.6EURO)。思ったよりずっと大きな船だ。2階はビアホールになっていて、朝っぱらからゲルマンどもが飲みまくっている。デッキにも奇声をあげる若者がちがいるが、煙が充満していない分、こちらの方がまし。つーかお前ら何しにきたんだよ……。

その場所から右手に解放記念堂 Befreiungshalle が見えている。円柱状の淡い黄色の建物で、周囲と内部に女神像がたくさんあるらしい。ナポレオンに解放された記念に1842-63年に建築。かわいらしい形で、ケーキみたいだ。

船が出た。ドナウ川下り、ここから40分かけて上流に遡りってWeltenburg 修道院に行き、帰りは20分で戻る。途中、ドナウ側が最も狭くなるという渓谷を通る。両岸にはずっと紅葉が続く。天気がよければもっといいだろう。少し晴れ間もみえてきたが、今日はまだまだ雲が多い。

ゲルマンどもはビールをくらって奇声をあげている。ちょっと変わった環境でビールを飲むのがオツなのだろうな。ビールが飲めればどこでも楽しい、ビールが飲めなきゃどこも楽しくない。屋形船といったところか。芭蕉は俳句とか読むんだぞ。

Weltenburg 修道院に着いた。左側がちょっと変わった建物だ。ここの教会はミュンヘンのアザム教会をつくったアザム兄弟の兄CDアザム作らしく、絢爛豪華な内装がみもの。それはともかく、我々はこの酔っぱらいどもと一緒に教会に行くのか?

ぜっとんの携帯電話が鳴ったので、修道院の敷地に入る前にドナウ川に触っておき、晴れてきたので紅葉の360度写真もとっておく。ドナウ川は、汚い。我々が中学の卒業式で合唱した「美しき青きドナウ」ってどうよ?

教会内部の半分は工事中で幕に覆われていた。アザムさん作は、絢爛豪華なロココ様式というけれど、世界遺産のヴィース教会のような優美さはなく、ゴテゴテして下品だ。よく見ると天空の雲から子供たちの足とか首がにょきにょき出ていたり、グロテスクで悪趣味……。ひょっとしてこの雲は内蔵のイメージ?

丘にあがってチャペルを覗く。丘にはずっと緑の芝生が続いていて、むちゃむちゃのどかである。こんなんで修行になるのか?少し登ると、ドナウ川と町並みが見下ろせた。お、美しき青きドナウって感じしてきたぞ!

少し時間があるので教会の反対側へ歩き、それから船着き場に戻って2時の船に乗る。帰りの船はすいていた。みんなどこへ行ったのだろうと思ったら、修道院のビール工場で飲んでいるのか!

帰りの船は早く、窓際に座って喋っていたらすぐ着いてしまった。紅葉が続くといっても奥深い山々ではなく、林に近く、木の高さも揃っていて、のどかな感じだけがある。まさにヨハン・シュトラウスのあのワルツが合うのだ。

市場を抜けて、町の教会をのぞき、カードを買って駐車場に戻る。出発してRegensburgの表示に従って走ったら、国道16号に出てしまいちょっと遠回りだった。

Regensburgに着いてからが厄介。都市ドライブではいつもそうだが、町の中心になかなかたどり着けないのだ。大聖堂の尖塔は見えているのに、一歩通行でどんどん引き離されてしまう。遠すぎない程度のパークハウスに停めて、歩いていくことにした。

ぜっとんが昼食場所を探していたのだが、先に大聖堂に着いてしまった。大聖堂も補修中で、名高き二本の尖塔の一本が帽子をかぶっていらっしゃる……。13-14cの南ドイツで最も重要なゴシック建築でございます。

中に入る。ステンドグラスも必見と書いてあるが、まあまあだな。柄が細かくて白が多い。横の方とかただの格子柄のもあるし。よく見るとアジアっぽい柄のもある。以下、ステンドグラスコレクション。(こんなことばっかりやってるので、教会の中に入るとえらく時間がかかる。)

ぜっとんがお腹がすいて無口になっているので、出て橋の方へ歩く。店の選択はぜっとんにお任せ。レーゲンスブルグに来たら地元のソーセージ、レーゲンスブルガーを食べねば!ということで、橋のたもとの店Historische Wurstkuecheでドナウ川を眺めながらアップルジュースで食す。ドナウ川うつくしかーっ。

ドナウ川は北側になる。橋を渡ったところからの大聖堂の眺めが素晴らしい。ヨーロッパの町は川の対岸や広場からの眺めが素晴らしいようにわざわざ作っている気がする。Saltzburgは川向こうから大聖堂と城がみえたし、Heidelbergは城、Wuerzburgは大聖堂が見えた。ここは南までずっと平らなのだな。

さて、そろそろ日も傾いてきたし、今日のホテルを探さねば。橋のそばにインフォメーションがあったのでホテルリストをもらい、ぜっとんが携帯で電話をかける。適当なのがすぐに見つかり、近くだったので部屋をみてからそこに決めた。二人で95EUROで朝食シャワー付き、駐車場代も6EUROですむ。

ぜっとんが橋から大聖堂の隣にみえたロマネスクな教会に行こうというので行ってみる。そうやって目的地を選ぶのかー。Niedermuenster 教会、中は何もなかったような(写真撮り忘れた)。

夕食の店を(ぜっとんが)探しながら町中を歩いて駐車場に行き、荷物を取ってホテルに置いて、今度は夕食に出かける。イタリアンの店で、安くて量が膨大、前菜は割とおいしかったけど、パスタはまあまあ、ティラミスはおいしかった。ようやく飲める!と白ワインごくごく。運転してると飲めないのが残念。

大聖堂の尖塔が霧に沈んでいる。ゴシックってのは志がいい。より高く、というのがいい。ホテルに戻ってすぐに就寝。その前に明日の予定を決める。300kmくらい走ってもっと北の町へ行くという話もあったが、北へ行くなら他にも見たい教会があるので、別の機会に時間をかけて行くことにした。

10月31日(日)

午前8時起床。曇っている。朝食とって、チェックアウトして、荷物を預ける。ホテルの前の広場のNeupfarr 教会に行く。ロマネスク?と聞いたら、うーん、ゴシックも入ってる、と言っていた。ステンドグラスはなくて 正面にメダイヨンだけ。

ここの大聖堂の少年合唱団は有名らしく、時間も9時半とちょうどいいので寄ってきいていくことにする。町の人々が続々とミサにやってきてちょっと居心地が悪いが。しっかり写真も撮ってしまったわ。少年たちより指揮のおじさんがノリノリだった。

バロックの内装がすごいとこがあるとぜっとんが言うのでついていく。Alte Kapelle St.Ulrich 教会?自分で地図を全くみてないので名前を覚えていない。あー、この金ピカなのがバロックなのね。これまたミサ中で早々に退散。

Alte Kapelle St.Joseph 教会にも行ったがこれもミサ中。こう教会が多いと、現地の人は自分の通う教会をどうやって選ぶのだろうか。あら奥さん、あそこの神父さんいけてるわよとか、声がダンディなのとか、、、。自分の息子を少年合唱団に入れるママンってどうよ?日本でいうとピアノやってる男の子のイメージか。秘かにファンの小学生の女の子とかかいて、○○くんが歌うから見に行くわとか、柱の影からこっそり、、、西洋人にはこっそりなんてありえないわ。秘かにファンのおねーさんとか、おにーさんとか、、、いやいや。

駐車場から車を出す。Obermuenster Emmeram 教会の前に車を停めて見に行く。まだミサは始まっていなかった。これもバロック。さっきと比べるとちょっと黒っぽい。やっぱステンドグラスがないと燃えないなあ。

できるだけホテルの近くに車を停めて歩いて荷物を取りに行く。せっかく車で行動してるのに町中へは入れないって不便だ。

町の南にあるThurn & Taxis 城へ行ってみるが、中へは2時からのツアーでしか入れないらしい。来たときに通り抜けて、紅葉がきれいな公園と思ってたのはこれだった。丘の上じゃなくて平らなところにあるからわからなかった。

12時、次の目的地、Walhalla 神殿(1830-41)へ出発。ぜっとんは興味ないと言っていたが、ギリシャ神殿ときたら私は見ないわけにはいかないわ。

すぐ川を渡ろうとしたら工事中で通れなかったので、東のBarbingまで進み、そこから北上してドナウ川を渡る。対岸の山の上に、真っ白な神殿が、いた!(この瞬間の写真とれず残念。)うわー、まんまギリシャ神殿だ。しかもあんな位置に。青きドナウ川を見下ろせる絶壁に。こんあマッドなことをやったのは誰だ。ルードビッヒ1世(1825-1848)だ、あいつ2世のじいちゃんだ。19世紀前半、ドーリス様式で建築。

かなりぐるぐる回って山を登り、神殿の裏の駐車場に車を停める(1EURO)。そこから黄色の木々の間を抜ける階段を登っていくと、神殿の裏庭に出た。

神殿は予想以上に大きく、高く、柱も太い。城の正面に回るとそこは絶壁だ。ここから落ちて死んだ人もいるらしい。手すりも何もないからな。あったら絶対にダメだけど。

中を覗いてみたが、彫像が並んでいるだけだったので、入らないことにする(入ると3EURO)。ドイツの偉人を祭っているらしい。ってなんか理由つけてここにギリシャ神殿たてたかっただけだろ!

やっぱりそこからの眺めはむちゃむちゃ素晴らしかった。正面の階段を降りていくと不思議な気分になる。神のような心地である。が、小雨が降っていて、大理石はつるつるすべる。こういうところでアポロンが竪琴ひいてたり、アフロディテが浮気してたりしたのかねえ。ああ、ギリシャ行きたい。

すぐに出発して高速3号を110km走ってNuernbergへ。途中のパーキングでラテマキアートで一服。クリスマスマーケットは有名だが、それ以外は大して面白くない町だと言われたが、翌日にオペラ「ニュルンベルグのマイスタージンガー」を見る私としてはみておかねばという気がする。

2時に着いてとりあえず旧市街に入る。この時点でまだ二人ともNuernbergの町の地図を一度も見たことがなかった(まあ私はいつだって見たことないけど)。傍らに車を止め、とりあえず城を見ることにする。

Kaiserburg。うおーっ、城だーっ、私が求めているのはこういう中世の城だーっ。この左の塔なんて、クラリスが閉じこめられていそうじゃん?ルパンもお花広げちゃうよ!こんなかっちょいいものがある町とはしらなかったよーっ。

その塔にあがると(3EUEO)、Nuernbergの町並みが一望できた。またぜっとんはお腹が空いてテンションが下がっているが、私はハイテンションで360度写真を撮りまくる。窓が小さくしか開いてないところが軍事施設ぽくていい。姫路城の天守閣みたいな感じ。


左の尖塔がSt.Lorenz教会、右がSt.Sebaldus教会

ぜっとんが食べ物屋を探している。日曜なので閉まっている店が多い。ニュルンベルグに来たら地元のソーセージ、ニュルンベルガーを、と言っている。St.Sebaldus教会の脇のBratwurst-Haeusleも閉まっていた。

旧市庁舎の前を通り、中央広場を抜け、そこの美しの泉というオブジェには目もくれず(3回まわる間に願い事をすると叶うとか)、Frauen教会にも近寄らず(12時に仕掛け時計が動くらしい)、Pegnitz川を渡り、St.Lorenz教会(1270-1477)の前まで来てしまった。

そこでようやくニュルンベルガーのゼンメル・サンド(ブルストブレッヒェンという)の屋台をみつけ、聖堂を眺めながら食す。おいしいけど、昨日のレーゲンスブルガーとの味の違いがわからない。

St.Lorenz教会。いやー、ゴシックってのは志が美しい。しかしこれにはどことなくダサい感じがある。赤茶色の石の色のせいだけとも思えない。デザインがいまいち洗練されてない。これに比べるとレーゲンスブルクの大聖堂ははるかに美しかった。

正面にぶらさがってるでっかい受胎告知のレリーフが有名らしい。ステンドグラスもいまいち。白が多くて、柄が細かくて、人物が多い。

あまり中に人が溜まらないように入場制限しているらしいのだが、せかされて出たら日本人ツアーガイドの人に「入れないんですか!?」と声かけられた。お前、ガイドなんだから自分できけよ。その後、すぐに広場でその集団を見たので、彼らは中を見せてもらえなかったもよう。いい加減だなあ。

車を停めた方へ戻り、St.Sebaldus教会を覗く。入り口にでっかい十字架のキリストがあった。それなりに大きめのゴシック教会で、ステンドグラスもあったが、特筆すべきことはない。

ぜっとんはこれからHeidelbergへ行くというので、中央駅でおろす。町中を車で抜けられないのでなかなか町の反対側に出られず、かなり遠回りした。5時になっていた。それから私はガソリンを入れ、高速9号にのって170km走って真っ直ぐ家に帰る。

が、途中、あと50kmのところで力尽き、パーキングで30分仮眠。6時半に再発して7時に家に着く。いやー、ドイツが治安よいとこでよかった。


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