2004.6.18-20: ハイデルベルグに行く!

6月18日(金)

中高の同窓生ののりこちゃんが共同研究でオランダにきていて、ぜっとんの友達のハイデルベルグで会合することにした。今日の午後に行くとは言っていたが、仕事が片づかず、8時すぎに帰宅してそれから荷造り。家を出たのは9時半になってしまった。

車に乗って、そこで初めて地図を広げた。目的地は西北西で、高速道路は西に行ってから北上するのと、北に行ってから西に行くのがある。西のルートは途中うねうねしているところを通るので、暗いと危ないかもしれない。ちょっと遠回りだが、北のルートにしよう。

それからガソリンを入れ、明後日のオペラのチケットを研究所に忘れたことを思い出して取りに行き、走り出したのは10時になっていた。いくら日が長いといってもわずかに夕焼けが残るだけ。景色みられないなあ。もっと早くに出ればよかった。

9号をNurnbergまで北上、150kmの表示にあーあと思う。ジャンクションで6号に入り損ねて迷う。一度降りてからなんとか6号に入れて、途中のHeilbronnまでまた150kmの表示に溜息をつく。走るしかない。

珍しくトラック野郎をみかけた。車体に電飾とかついてた。ドイツの高速は無料なので、他の国からの他の国へのトラックも通るらしい。途中でエスプレッソマキアート注入。

5号に突き当たって北上し、少し走るとHeidelbergに出た。二つ目の出口で高速を降り、「二つ目か三つ目の信号を右折」「駅をすぎる」「トンネルをすぎる」「道なりにカーブしながら進む」とぜっとんが送ってくれた指示通りになんなく辿り着いた(偉大)。一度分かれ道を間違えて戻ったけど。

着いたのは午前1時くらいになっていた。運良くすぐ近くに路駐できた。「初めての場所なのに、よく夜中に走るよね」と言われてたしかにそうだと思った。のりこちゃんはあまり変わっていなかった。でもそれ以上に私が変わっていないとまた笑われる。トマトソースのパスタと赤ワインをご馳走になる。

「女子校だったらフェミニズムとかすごいんじゃないの」という釣りには釣られず、私は持参した寝袋で眠りにつく。

6月19日(土)

10時に起床。のんびり朝食をとって、12時から観光にでかける。ガソリンを入れ、イタリア食材店を物色して、この町唯一の見所というハイデルベルグ城に行く。

1時半、城の裏手の駐車場に車を止め、階段を降りて庭に出る。何もないがずいぶん広い庭だった。それを横切ると城がみえてきた。

うおーっ、半壊したその塔は、まさに「パズー!」と叫んでいそうなところである。機体に体をくくりつけて差し出された両手に助けられた後、巨身兵とともに破壊された塔・・・

城のガイドツアーはやめて、中庭だけをみることにしてチケットを購入。中庭に出ると、かわいらしい赤褐色の石の宮殿に囲まれた。この地方にはこの色の石が多いらしい。赤鉄鉱??この色がメルヘンチックな雰囲気を出している。

有名なワイン樽を見に行く。ただの大きな樽があるだけだった。あと薬事博物館も見られる。いろんな部屋に薬瓶とかが並んでいた。私はこの手のものには全く興味をそそられず、さくさく進んで葉書選びをしていたが、ぜっとんはえらく熱心に写真を撮っていた。さすが建築家。

駐車場に戻って山を降りる。ここに来るケーブルカーは故障していたらしい。

2時半、大学広場の近くのパークハウスに駐車して、この町唯一の大通り、Haupt通りを歩く。いろいろな店が並び、映画館やHard Rock Cafeもあった。

学生牢は落書きがあるだけなので入らず通り過ぎる。聖霊教会と市庁舎を過ぎる。Markt広場からも城が眺められる。この構図はSaltzburgと非常によく似ている。そこの近くのカフェで軽く昼食にする。小雨が降ってきた。

ネッカー川にかかるKarl-Theodor橋を渡り、川向こうの歩道を少し歩く。橋と町並みと城の眺めが美しい。この構図もSaltzburgと非常によく似ている。川向こうには何もない、って山の上にマックスプランクがあるのか。他にも研究所が複数ある。

さて、町観光は終わってしまった。ドライブにくりだそう。私としては古城街道を走って城めぐりをしたいところだが。などと思いつつネッカー川沿いを適当に走っていたら、空の雲間に町が浮びあがった。

ラピュタだー!私とぜっとんは途端にハイテンションになってすっかりラピュタと名付けたその山の上の町に行こうと急に目的地を変え、後部座席でのりこちゃんがきょとーんとしていた。

その町は川の北側にあるのかと思って橋を渡って東に進んだが道は途切れてしまった。実は川が蛇行していて町は南側にあり、また戻って橋を渡り川の南側を東に進む。

町は見えなくなってしまったが道は山に登っている。山の上で急に行き止まると、城壁に囲まれた小さな町に着いていた。車を停めて門をくぐり、町の中へ入っていく。

人気は少なく、静かな町だ。軒先にはバラが咲いていて、雰囲気は明るい。庭らしきところを通ると教会に出て、近くのレストランかなにかでパーティがあるのか、現代的な音楽が聞こえてきた。それから逃れるようにまた石畳の路地に出る。

城壁の外に出ると、そこはずいぶん高く、眼下の眺めが美しかった。外から見ると町は褐色の石の城壁にぐるっと囲まれ、まさにさっき下から眺めたラピュタであった。

8時に家に戻る。夕食にアスパラだしのスープと鶏なべをいただく。おいしくておなかいっぱい。デザートにごまあん白玉だんご。

最近は人々はユーロ・サッカーに熱狂していて、仕事もせずに試合の話ばかりしている。まだ一試合もみていない私はちっとも話についていけない。ここのテレビでもご多分に洩れずサッカーの試合が流れていて、チェコチームはちょっと美形でいいかもとか思った。

寝袋に入ってからなんとなくのりこちゃんの研究の話をきいて、女が仕事をしていくのはどうかという話になる。まあこのご時世、先の女たちの努力のおかげで、10倍できても認められないという時代ではなくなったが、難しいところはまだまだあるから、2倍働けばいい。と言ったら、そんな風に考えたことはなかったといたく感動していた。

6月20日(日)

10時に起きて朝食をいただき、12時に出発する。

帰る前に山に登りKoenigstuhleという展望台から町を眺める。それからMax-Planck Institute for Astronomy(MPIA)に辿り着き、記念写真を撮って帰る。ここに来る可能性もあったんだよなあ。景色はいいけれど町が小さすぎてきっと退屈しただろう。ミュンヘンでよかった。

1時にMannheimでのりこちゃんをおろす。「10年ぶりにちあきちゃんに会えてよかった」と言われてむちゃむちゃうれしかった。

ぜっとん乗せたまま、あとはがんばって走る。珍しく暴走族をみかけた。数人のバイク集団が蛇行運行をしている。でも車より速くないのが笑える。

帰りは西回りにしたが、思ったより遠くて、距離は北回りとあまり変わらない気がする。9号Muenchen299kmという表示にめまいした。 6号から81号を南下するはずが乗り損ね、出口付近で迷って工事中か事故直後かで破片が散乱しているところで思わず止まってしまったら、そこにいた警官に思いっきりどやしつけられた。なんだったんだ・・・

7号を南下してUlmから8号に入る。4時、パーキングで軽食にエスプレッソマキアート。車中でオペラワンピに着替えておく。6時からのオペラに間に合わせねば。

ミュンヘンに入るとものすごい豪雨。送る時間がないので5時すぎに中央駅でぜっとんをおろす。5時半にオペラ座近くに着くが、お祭りみたいなのをやっていて駐車スペース探しに手間取る。オペラにはぎりぎりで間に合った。


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