舞台に幕はなく、木目のはっきりした階段舞台が作られている。中央に濃い緑色のドレスが落ちている。6人の女性が出てきて同時に階段を折り、しゃがみ込んで刺繍を始める。中央でドレスを作ろうのがSilvana。数人の男たちが来て女たちを見つめる。ここで音楽がすでにドラマチック。
白髪の姑Eudossia がきてなんか文句いう。別の老婆Agnes di Cerviaが来て床下に隠す。
背後のまたスライド扉が開くと森の背景。花壇みたいなところに実際の草木も生えている。義息Donelloが来て二人で話す。また姑が来て邪魔をする。
別の白髪の老婆がやってきて、民衆がなだれ込んできて老婆を捕まえる。死んだ子どもを抱きかかえて女が殺されたと。老婆は背後の台の上に連れて行かれ、腕をすばられて、火が燃え盛る!
まだ1幕なのにすごい興奮。休憩のち2幕。翌日。
舞台は森のシーンから。義息Donelloが女たちを追いかける。手を出された中国系女がさめざめと歌うが(ここよかった)、Silvanaに修道院に送られる。Silvanaと夫のがなんか話す。
ついにSilvanaと義息が対峙し、抱き合ってくんずほぐれつ!
休憩のち3幕。六ヶ月後。舞台は冒頭と同じでドレスが赤になっている。
また女たちが降りてきて、張物を始める。女たちの生活は変わっていない。
Silvanaが夫に浮気を告白すると、夫はショック死。そこへ姑がやってきて大騒ぎし、民衆もやってくる。上手のドアがいまいち綺麗に開かなかった。 十字架をもった神父を中心に、Silvanaの裁判が始まる。子役も一緒になって歌ってるのがえぐい。Silvanaは夫を殺してないと言い、最初は息子も彼女をかばっていた。民衆も納得しそうになったところで、姑が騒ぎ出し母親も魔女だったと、夫が本当かと聞いてくる。
神父がSilvanaに誓いを立たせる。最後まで言う前に彼女は笑いだしてしまう、姑の言葉でDonelloがゆらいだことがわかったから。。。この彼女の絶望が数日たっても鮮明に残ってる。
彼女の夫は東ローマ帝国の総督として西ローマ帝国に赴任中で、民衆にとっては彼女は異国人で「魔女」だった。魔女がメタファーとして使われている。
管楽器も合唱もたくさんで音は重厚、ワグナーっぽさもあり、アジアっぽい旋律が「Turandot」を思い出させる。
登場人物はすべて黒の衣装で、影のよう。舞台も作り込んではいるがミニマル、今日は演技と歌がすべて、もうほとんどストレートプレイだった。
三人のソプラノのうち、Olesya GolovnevaとDoris Soffelがとくにいい。どちらも過去1回ずつ聞いてたが記憶なし。Rizzi指揮はまあまあだったかな。
LoyがInternational Opera Awardの監督賞を受賞!2017年に続いて二度目。