Hans Zender(1936-)による現代的編曲、舞台装置もあって、一人舞台のセミステージ。字幕もアートの一部で背景に表示される。演出は若い女性のNetia Jones。
場所もバービカンのコンサートホールでなく劇場で三日連続。オケは上手に、下手に枯れ木、舞台奥に狭い斜面。タキシードの主人公が椅子もって出てきて歌う。やがて主人公は斜面を降りて舞台に立ち(女にふられて村を出た)、苦悩して、また斜面に戻る。
シューベルトはどこへやらの、ノイズまくりな現代的編曲は好みではないが、Ian Bostridgeの感情表現は見事。
彼はインテリでもあってオックスフォードでは歴史を学び、著作もある。「冬の旅」についてはドイツにはアメリカ人がいうところの art song、Lieder があると。ニヤリな蘊蓄だ。