2012.5.8: Euro Tour of Juan Diego Florez

また奇跡の歌声に泣いた。

Hyde Parkをつっきって、 Imperial Collegeに駐車して、向かうは初・Royal Albert Hall。かっこいい外観に比べて、ロビーとバーは質素で、内部はコンテンポラリー・アート?つか、ここ、音が悪すぎ。ケチってCircle席にしたら、壁から空気が漏れるのか、ずーっとヒューヒュー音がしてた。コンサートは BarbicanかSouthbankじゃないとダメだ。

で、本日は奇跡のペルー人 Juan Diego Florezのヨーロッパ・ツアー。

1) まずはオケのみでBellini「il pirata 海賊」序曲。なんかジャッキジャッキ勇猛に演奏してた。。。これってそんなオペラじゃないような。。。

2) Florez登場。1幕のハイDで有名な「Nel furor delle tempeste」。あれれ、調子悪いのかな?顔真っ赤にして歌ってて、珍しい。いくらなんでもこれが一曲目なのは難しすぎるのでは。オケとも合ってなくてやりにくそう。

3) またオケのみでRossini「La scala di seta 絹のはしご」序曲。作者初期の1幕喜劇オペラ、ファルサ。なんかいろいろ変わってて楽しい曲。

4) 4人の男女のうちの一人、ドルヴィルのアリア「Vedro qual sommo incanto」。ハイCでコロラトゥーラ満載。。。ああ、これが、ロッシーニ・テノール!これに比べたらベリとか ドニとか簡単すね。。。

5) またまたオケのみでVerdi「Luisa Miller」序曲。 Florezでは珍しい。いかにもベルディらしい軽薄な、もとい華やかな曲。

6) 一般受け狙いの「La traviata」から、かの有名な「乾杯の歌」ではなく(ソプラノいないし)、2幕最初の「De' miei bollenti spiriti」。この曲にハイCあったのね。何度もみてるオペラなのに今日気づいた。これまでの人たちは出してなかったってことか。。。

前半おわり。短かっ。 Florezは3曲しか歌ってないよー。休憩のち、後半は知らない曲ばかり。

7) Vives「Por el humo se sabe」スペインの。

8) Serrano「El mismo rey del moro」スペインの。この二曲は難しくなさそで軽々と歌ってた。

9) Gimenez「La boda de Luis Alonzo」スペインの。間奏曲。またオケのみ。

10) Lehar「Dein ist mein ganzes Herz」おお、Florezでは珍しいドイツ語曲。ちょっと歌いにくそう。

11) Brodzsky「Be My Love」英語。歌詞がわかるからか、、、キター!なんか泣けてきたぞ。ここまではやっぱりコンサートなんていまいちだな、オペラ見た方が何倍もいい、と思ってたけど。拍手も一段と大きくなった。

12) Donizettiのファルサ「Rita」から「Allegro io son」。めっちゃ楽しい曲だった!会場も大盛り上がり。カーテンコールもそこそこに、アンコールへ突入。 Florezが挨拶しようとしてるのに、大声あげる観客がいて聞こえないー。

13) アンコール1曲目。こ、こ、この前奏は。。。「連隊の娘」9連続ハイCだーっ!!!こんな超絶難しい曲を、アンコールで歌っちゃうんですか、この人は!私がロンドンで聴いた瞬間に涙ダラダラーになった曲す。今日もダラダラーで震えた。

14) アンコール2曲目。前奏で一発でわかる、最近、本人がはまっているらしい、マントバ公爵@「リゴレット」。まあ、なんてお上品で素敵な公爵♪これに娘とられてもリゴレット怒れない。むしろ非常に興味をそそられる。ぜひオペラで見たい。

15) アンコール3曲目はなんだったんだー。後で調べる!

Royal Albert Hallは満席ではなかったが、いた客のほとんどは立っていた。なんとかいうか、神の声だな。VerdiやPucciniなんかでお茶を濁して喝采をあびている他のテノール・スターたちとは次元が違う。それでレパートリーが少ないとか批判されて。

パンフレットのインタビュー記事よんでて改めて思ったのだが、この人は人当たりのいい礼儀正しい王子スマイルに反して、かなりマニアックで、ストイックで、自分を客観的にみて常に向上を図り、しかも毒舌家である。

・・・素敵だ。萌えてきた。ちょっと Keenlyside にキャラがかぶる。私の初代お気に入りオペラ歌手であった。あっちの方が性格悪いが。

次はどんな演目をくりだしてくれるのか楽しみ。遠征がんばる!スター歌手をみるだけなら NYにいればいいし、ロンドンでもまあいいんだが、「違うもの」を見るには、地方遠征しないとだめ。Christof Loyの演出もだが、一期一会だ、がんばろう。

STAFF & CAST


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