でも「キリストが磔刑な理由」「処刑的建築」にはちょっと目からウロコ〜で、とはいえ、なかなか読み応えあるわ、と思っていた。
ら、エロ小説どころか、超絶シリアスなミステリーになっちゃって、えっ、えっ、と思っている間に上巻終了。主人公がラブ・アンド・ピース語ってる真横でバラバラ殺人事件が起こってるんだもん。この構成はお見事。
「表立って認められたビヘイヴィアと、それが由来するところのものとが、必ず一対一で対応するわけではないという考えを信じるしかない」という表現もさすが。思いやりか!
下巻はもうずーっと救いがなくて、残りのページ数が少なくなってくると、え、これで終わっちゃうの?希望を見せてはくれないの・・・?
もうね、下巻は、タイトル「決壊」の通り、決壊ぎりぎり前から、決壊に至る過程が、執拗に描かれていくわけですわ。まあ、平野君なんで、心理描写からというよりは、事実関係から。
あーあ、終わってしまった。結末はかなり残念だが、これしかなかったような気もする。そういえば、上巻の「心情的に正しいと信じる行動を選択して、結果的に破滅的な事態が生じたとしても、それは現実の側に問題があったのだから仕方がないと考える」という表現もよかった。
弟くんとその嫁が希望といえば希望かな。でも崇君を最後まで好きになれなかったのは、ほんとに平野君のせいだ。「葬送」はドラちゃんが素敵だったのにー