学生時代にヒーローだった佐藤が姿を消し、病に犯された異様な姿で、昔の仲間に会いにくる。彼の信奉者であった山田と佐藤の元彼女は結婚していたが、二人はそれを言い出すことができない。
ああ、どうして、現代の若者は、善悪を真っ直ぐにはかれないのだろう。 こんなにも悩んで、心を配っているのに。 ただ投げればいいだけなのに、意志を、自分で!
「お前は絵を描かなきゃダメだ」「命っ」
対極にいる(=投げずにいられない)我々には到底わからない心境だけれど。 主人公は、岩井秀人という人は、死にそうな気持ちで、投げた。 その姿に私は、泣いたんだと思う。その時の恐れやどうにもならない気持ちは、私もしっているから。
現代の日本の、悩みオッケーみたいなのが見たくなくて、このところ避けていたのだが。これはよかった。社会を動かす力は到底もてそうもない掃き溜めのような場所だったけれど、これは、まだ始まりだと、思いたい。